広島　菊池4安打も…猛追及ばず4・5差後退　前向く緒方監督

セ・リーグ   広島7－8巨人 （ 2019年8月12日    マツダ ）

4回2死、菊池涼は左越えにソロ本塁打を放ちナインとタッチを交わす（撮影・奥　調）
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　広島は12日の巨人戦で猛追も届かず敗れて3連敗となり、首位とのゲーム差は4・5に広がった。

　直接対決の初戦を落とした事実は重い。それでも今は、序盤の敗色ムードを打ち消し1点差にまで持ち込んだ反攻に前を向くしかない。緒方監督も「最後までみんなが頑張ってくれた。明日もこういう気持ちで臨みたい」と悲観しなかった。

　初回からの4点劣勢にも集中力は切らさなかった。菊池涼は、無死一塁から三塁へのボテボテのゴロに打ち取られても、一塁にヘッドスライディングする内野安打でナインを鼓舞し、鈴木の左前適時打につなげた。3回無死二塁では山口の初球のスライダーを左翼線へ適時二塁打。2点差に迫った4回2死無走者では「積極的にいった」と2番手・田口の初球カーブを左翼席に運ぶ4年連続2桁となる10号ソロを放った。サイクル安打がかかった8回は沢村から三塁強襲の二塁打。大記録は逃したが今季2度目の4安打で3打点を挙げ巨人を最後まで苦しめた。

　13安打に加え8四球を選びながら、昨季9月15日の中日戦以来となる14残塁が悔やまれる。5回には3四球で2死満塁としたが代打安部が二ゴロ。6回にも単打と2四球で作った2イニング連続での満塁機に会沢が凡退した。8回には1点を追加してなおも2死満塁でメヒアが投飛。1イニング2点が最多で大量得点にはつながらなかった。

　猛追実らず、巨人と4・5ゲーム差。13日が引き分け以下なら自力優勝の可能性が今季初めて消滅する。回避するには、残り2戦を連勝するしかない。1試合でも落とせば自力Vが消滅していた7月19日からの巨人3連戦では、全勝してチームの上昇につなげた。指揮官は「いい人もいれば、悪い人もいるもの。また明日」と下は向かない。今季、何度も崖っぷちからはい上がった王者の腕の見せ所である。（河合　洋介）