【三重】第1回大会出場の“伝統校”宇治山田、先制も涙の敗退 森北主将「力は出せた」

[ 2019年7月21日 05:30 ]

第101回全国高校野球選手権 三重大会2回戦   宇治山田3―8宇治山田商 ( 2019年7月20日    津市営 )

<宇治山田商・宇治山田>試合後、宇治山田・森北主将(左)は宇治山田商・飯嶋主将と笑顔で握手
Photo By スポニチ

 試合後は相手ナインと笑顔で握手を交わした宇治山田・森北脩太主将(3年)だったが、ベンチ前に整列すると何度も目をぬぐった。

 「強豪ばかりのブロックでしたが、絶対に自分たちが甲子園に行くんだと思っていました」

 序盤は先取点を奪って逃げ切るという、思い通りの展開に持ち込めた。1番の森北が中安打で出塁し二盗。犠打で三塁進塁後に相手の暴投で生還した。2回に逆転を許したが、4回は先発の山本大夢投手が自らを助ける2点二塁打。しかし、5回に3点を奪われると、小刻みに追加点を許した。

 山田中時代の1915年に第1回全国中等学校優勝野球大会に出場した伝統校。しかし、全国大会出場は春夏を通じて、その1度にとどまる。宇治山田のOBでもある山本豊監督(54)は「(歴史と伝統を)知っていては欲しいが、押しつけることはしない」と話す。森北らは昨年の100回大会を迎える前に、指揮官から話を聞いた。「先輩方の偉大な記録だと思う」。試合には敗れたが、チームの新たな歴史をつむいだ。

 山本監督は「持ち味が出た部分があった。こんな雰囲気で野球をやれて、負けている展開でも幸せを感じた」と、後輩でもある教え子の健闘を称える。森北も「思っていたことができないわけではなかった。持っている力を出せたのは良かった」と納得の表情だ。今後も野球を続けるかは、まだわからないという。「いったんは勉学に集中しようと思います」。進学校の生徒らしく新たな目標に視線を向けた。

続きを表示

2019年7月21日のニュース