【北北海道】令和甲子園一番乗り!旭川大高が2年連続9度目、持丸主将が1年前の「落とし物」を取りに…

[ 2019年7月21日 05:30 ]

第101回全国高校野球選手権 北北海道大会決勝   旭川大高9―0クラーク ( 2019年7月20日    旭川スタルヒン )

<旭川大高・クラーク>2年連続甲子園出場を決め、持丸と抱き合う能登(中央)
Photo By スポニチ

 第101回全国高校野球選手権(8月6日から16日間、甲子園)は20日、39大会214試合が行われた。令和最初の甲子園一番乗りは旭川大高。2年連続で同じカードとなった北北海道大会決勝でクラークを9―0で下し、2年連続9度目の出場を決めた。昨夏の甲子園では自らの落球で初戦敗退した持丸泰輝主将(3年)がチームをけん引した。21日は46大会で217試合が行われ、4大会で決勝が行われる。

 令和最初の甲子園切符をつかんだ持丸の目は潤んでいた。「去年の甲子園は自分のミスで負けたので、絶対に行ってやると思っていた」。その思いだけで突っ走った1年間の集大成は、11安打で9得点を奪って完封という圧勝劇で同校初の2連覇を達成した。

 この日は捕手としてエースの能登を好リードで6安打完封に導き、強打の2番打者として3四死球で出塁し、チャンスメークした。準々決勝の帯広北戦、準決勝の旭川北戦では同点打でチームを鼓舞。端場雅治監督が「持丸のチーム。強烈に引っ張ってくれる」と言うように、今大会21打数9安打6打点の成績以上にその存在は大きかった。

 原点は「4番・左翼」として出場した昨夏の甲子園初戦の佐久長聖戦だ。1点リードの8回にフライを落球して逆転された。甲子園史上初のタイブレークの末に敗れた後、先輩たちに笑顔で励まされ、必死で前を向いた。1年秋にストレスのため胃に穴があき、緊急手術を受けた姿はどこにもなかった。

 昨冬、甲子園で9回に同点打を放った1学年先輩の捕手、中筋(仙台大1年)から「落球」という文字の入った打撃用革手袋を贈られた。その瞬間、全員が爆笑。持丸自身も気持ちが楽になったという。「気持ちを込めてくれたもの」と毎日使い続けてボロボロになったお守り代わりの手袋をこの日もバッグにしのばせていた。

 監督として6度目の出場となる端場監督は悲願の甲子園初白星を「忘れ物ではなく、落とし物」と言って笑った。「監督をお立ち台に立たせたい」と力を込めた持丸主将は1年前の落とし物を拾いに行く。 (石川 加奈子)

 ≪昨年も一番≫北北海道代表が2年連続で全国最初に甲子園出場を決めた。昨夏は13年の帯広大谷以来となる一番切符で14~17年は沖縄代表が一番乗りだった。

続きを表示

この記事のフォト

2019年7月21日のニュース