NTT東、ルーキー向山V打 昨年ドラフト指名漏れ 元熊谷組の父の前で雄姿

[ 2019年7月19日 05:30 ]

第90回都市対抗野球大会第6日 2回戦   NTT東日本2-1日本新薬 ( 2019年7月18日    東京D )

8回2死二、三塁、向山は左前に適時打を放ち笑顔を見せる(撮影・西尾 大助)
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 2回戦3試合が行われた。NTT東日本(東京都)は、1点を追う8回に日本新薬(京都市)を逆転。新人の向山(むこやま)基生外野手(23)が勝ち越しの左前適時打を放ち、2―1で競り勝った。パナソニック(門真市)は3番手・小屋裕投手(25)の好救援などで逆転勝ち。明治安田生命(東京都)はHonda熊本(大津町)に完封勝ちし、それぞれ3回戦に進出した。

 8回に訪れた最大のチャンス。1万人を超える応援団の声援を受けても、向山は冷静だった。下川の適時打で追いつき、なお2死二、三塁で、153キロ右腕・岩本のフォークを左前へ。勝ち越しの走者を迎え入れた。

 「下川さんが打ってくれたので気が楽になった。攻めるだけだと思った」。中堅守備では7回に左中間の飛球をダイビングで、9回には中前に落ちそうな当たりをスライディングで好捕した。「代えないでください」とのコーチの進言を受けた飯塚智広監督は、2打数無安打だった向山に代打を送らず「守備も良いし、(コーチの言葉を)信じていた」と喜んだ。

 法大では主将。昨秋ドラフト候補に挙がりながら指名漏れした向山は、92年大会で3本塁打を放って熊谷組を準優勝に導き、久慈賞(敢闘賞)を獲得した強打の一塁手・隆康さんを父に持つ。「積極的、攻撃的にプレーしろと常日頃、言われている」。スタンドで見守った父の前で攻守に躍動。勝利を呼んだ。

 現役時代を生で見たことはないが、常に父の影響を受けてきた。小学生時代は「調布リトル」の練習後、父子でティー打撃。この習慣は高校まで続いた。法大進学後は大学、社会人の寮に父の現役時のビデオを持参。「たまに見て刺激を受けている。父を超えたい」と励みにしている。

 2年後のプロ入りを目指し「細かい変化球への対応力は引き出しが増えて、成長していると思う」という。岩本の剛速球にタイミングを合わせながらフォークを捉えた一打は、成長ぶりを物語っていた。(大林 幹雄)

 ◆向山 基生(むこやま・もとき)1996年(平8)7月5日生まれ、東京都出身の23歳。小2から野球を始める。法政二から法大に進み、東京六大学リーグでは4年時の春秋にベストナインを獲得。昨秋は4年ぶりのリーグ優勝に貢献した。1メートル84、82キロ。右投げ右打ち。

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