広島17日にも自力V消滅 小園はマルチで存在感「これを続けていきたい」

[ 2019年7月17日 05:30 ]

セ・リーグ   広島5-8DeNA ( 2019年7月16日    横浜 )

2回1死一塁、中前打を放った小園(撮影・島崎忠彦)
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 広島は16日のDeNA戦に5―8で逆転負けを喫し、中日と入れ替わって5位に転落した。「8番・遊撃」で先発した小園海斗内野手(19)が2安打を放つなど攻守で躍動したものの、アドゥワ、レグナルトが踏ん張り切れなかった。首位・巨人とは12ゲーム差に開き、17日にも自力優勝の可能性が消滅する危機に直面した。

 敗戦の中で確かな光を発してみせた。8番・ショートで6月22日のオリックス戦以来となる先発出場を果たしたルーキー・小園。同日以来2度目のマルチ安打をマークするなど攻守で躍動し、改めて存在感を発揮した。

 「変化球は前でさばき、真っすぐは左方向へという意識で試合前から練習してきた。緊張したけど、これを続けていきたいです」

 ファーストストライクを積極的に振った。まずは2回だ。1死一塁で、1ボールから上茶谷が投じた外角スライダーを中前へ運び、3点攻撃をお膳立てすると、4回の先頭打者でも1ボールからの外角カットボールを中前にはじき返した。

 首脳陣の目をより引き付けたのは6回だ。先頭で2番手・桜井と対戦し、初球から4度バットを振って最後は7球目を見逃し三振。左腕とは高校ジャパンで対戦経験があるようだが、東出打撃コーチは「左投手にも崩れずに振っていけるのがいい」と舌を巻いた。

 打つだけじゃない。2回に宮崎、4回にはロペスが放った遊ゴロを、積極的な動きで機敏に処理。守備機会は2度だけだったとはいえ、無失策で終えたのはスタメン4試合目で初めてだ。小園自身も手応えを感じ取る。

 「前回(昇格時)は攻めたプレーができなかったけど、今日は前に出てしっかりさばけたので良かったです」

 下位から攻撃の起点になり、攻守でキラリと光った19歳。緒方監督は「しっかり振っていけるんだから。若さを出して、チャンスをものにしようと積極的にやっている姿を見せてくれたら、打線にもいい刺激になった」と目を細めた。

 勝った中日と入れ替わりで5位転落。首位・巨人とは12ゲーム差に開き、17日にも自力Vが消滅する可能性がある。そんな危機的状況でも、黄金ルーキーの存在は明日の逆襲への希望の光だ。

 「楽しみながら、積極的にやりたいです」

 非凡なセンスを持つ背番号51。出番はこの先もっと増えそうだ。(江尾 卓也)
 

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2019年7月17日のニュース