ソフトB、和田651日ぶり勝利で交流戦V!松坂世代の存在感 巨人との大一番制す

[ 2019年6月24日 05:30 ]

交流戦   ソフトバンク5―1巨人 ( 2019年6月23日    東京D )

今季初勝利の和田(中央)を祝福する内川(左)と松田宣 (撮影・西川祐介)
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 ソフトバンクは23日、巨人を5―1で下し2年ぶり8度目の交流戦優勝(最高勝率を含む)を決めた。先発の和田毅投手(38)が5回1失点の好投で17年9月10日以来、651日ぶりとなる白星を挙げた。チームには優勝賞金3000万円が贈られる。交流戦は24日に全日程が終了し、リーグ戦は28日から再開するが、ソフトバンクはリーグ首位の楽天追い上げへ、弾みをつけた。

 涙はなかった。2年ぶりの復活勝利に和田は「そういう雰囲気ではなかったので。(優勝が決まって)みんなで“ワー”という感じだったから」と、ウイニングボールを手に笑顔を見せた。

 今季3度目の先発は、勝った方が交流戦優勝となる大一番。プレッシャーがかかるマウンドも冷静だった。前回12日阪神戦ではプレートの三塁側を踏んだが、この日は一塁側。「数日前にひらめいたことがあってコーチとも相談して決めた」と変化を恐れなかった。

 初回から今季最速の145キロを計測し、前日まで2試合連続3安打の3番・丸をツーシームで二ゴロに仕留め、3者凡退で流れに乗った。4回に岡本に一発を浴びたが、5回まで3安打1失点。81球で降板し「今日は3回くらいまで全力で、と思っていた。後の投手が抑えてくれて、白星を付けてくれた」と救援陣に感謝したが、流れを引き寄せた。

 プレートだけではなく、向上心が支える。和田は登板3日前にブルペン入りする。プロ入り後は登板間に2度ブルペン投球を行い、2日前をルーティンにしたこともあったが「一度、2日前にブルペンで投げているときに、登板翌日の体の状態が凄く良かったことがあったので、だったら3日前にしてみようかなと」と和田。昨年は左肩を痛め1軍登板なしに終わったが、体と対話をし、1軍のマウンドに戻ってきた。

 昨年は同世代の中日・松坂が右肩痛から復活し6勝をマーク。オフには、アドバイスや病院も紹介してもらい、地道なリハビリをこなしてきた。工藤監督は「肩のことで苦しんでいた。勝ったら優勝という中で、素晴らしいピッチング。(今季の)今までで一番良かった」と称えた。

 11年前の08年6月22日。4チームが優勝の可能性を残す中、巨人戦(東京ドーム)で7回1/3を5安打2失点の好投。自身の白星は付かなかったが、チームの交流戦初Vに貢献した。今度は優勝に導くとともに、交流戦歴代単独2位の25勝目。「去年は投げていなくて申し訳ない気持ち。今年は離脱しないように最後までチームに貢献したい」。リーグ戦へ向け、頼れる男が戻ってきた。 (川島 毅洋)

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