阪神・北條 323日ぶり1号!自己最多タイ4打点で大敗阻止

[ 2019年6月9日 05:30 ]

交流戦   阪神5-10日本ハム ( 2019年6月8日    甲子園 )

8回無死一塁、北條は左越え2ランを放つ(撮影・大森 寛明)
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 阪神・北條史也内野手(24)が8日の日本ハム戦で323日ぶりの1号を放った。0―10の8回に左翼席へ打ち込み、9回にも右中間へ2点適時二塁打。猛反撃を呼び、大敗を奮戦へ一変させた。猛打賞は昨年9月以来、4打点は昨年6月以来2度目の自己最多。開幕から遊撃の控えに甘んじてきた中、今季最多4万6724人の観衆を沸かせ、ついに逆襲ののろしを上げた。

 北條は逆襲の強い思いをフルスイングで体現した。8回無死一塁。2ボールから真ん中直球を左翼席へ運んだ。0―10の大劣勢だった空気を切り裂いた一発は、昨年7月20日のDeNA戦以来、323日ぶりの1号だ。

 「自分のスイングをすることができた」

 9回1死二、三塁でも147キロ直球を振り抜き、右中間を破る2点適時二塁打を放った。3回の右前打を合わせた3安打は昨年9月6日の広島戦以来、自己最多に並ぶ4打点は昨年6月30日のヤクルト戦以来だ。“今季初”を重ね、存在感を示した。

 守備でも7回1死一塁から中田の左翼左への二塁打を中継して捕手の梅野へノーバウンドの好送球。セーフ判定が矢野監督のリクエストで覆り、一度は追加点を阻んだ。「ピッチャーに迷惑かけてる部分があるので、助けられる時にそういうプレーをしないと」。前夜は7回から就いた遊撃で一塁へ悪送球し、決勝点につながった。それでも3試合ぶり今季13度目の先発で送り出され、4回1死満塁では清水の遊撃左へのゴロを捕りきれず三塁走者に生還を許した(記録は内野安打)。取り返すには打つしかなかった。

 7年目の春。矢野監督から春季キャンプのMVPに指名され、遊撃レギュラーの1番手と目されながらオープン戦の不振が響き、開幕遊撃を新人で同世代の木浪に奪われた。出番なく声援だけで終える日も増え、「今日は声を出しただけです…」と絞り出すしかなかった。開幕直後、先輩の中谷と食事した際には「今はポテンヒットでも1本欲しいです」と漏らし、5月の関東遠征中には光星学院(現・八戸学院光星)の先輩の巨人・坂本勇と会食する機会に恵まれ、「バッティング教えてもらおうかな…」と本音も口にした。

 悩んで、苦しんで、やっと上昇へのきっかけをつかみ、矢野監督からは「1打席も無駄にできないという中で結果を出してくれた。競争やチームのレベル上げるところには欠かせない部分」とさらなる反攻を期待された。

 「一打席一打席、内容のある打撃をもっとできるように。これから上げていかないと。競争なんで」。いまは1打席が明暗を分ける。差し込んだ光に向かって、はい上がる。(遠藤 礼)

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2019年6月9日のニュース