大谷の大爆発は近い!プホルスが、トラウトが…“家族的”環境が精神的な支えに

[ 2019年6月3日 09:30 ]

<マリナーズ・エンゼルス>2回1死満塁、右犠飛を放ちタッチで迎えられる大谷(撮影・会津 智海)
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 エンゼルス本拠地のクラブハウス。ここ数日、ベテランのプホルスがテレビゲームの「スーパーマリオブラザーズ」にはまっている。ある日、後ろで見守る大谷が「これ(甲羅が壁に)跳ね返って自分に当たるよ」と予測し、その通りにプホルスは玉砕。その瞬間、大谷は「やばい!同じ事、何回もやってる!4回目だ!」と大爆笑した。

 お世辞にもプホルスはゲームが上手くない。失敗する度に大谷の「やばい、やばい!」という甲高い笑い声が響いた。だが、負けず嫌いのプホルスは何度もゲームに挑戦。ようやくクリアした時に見せたクシャッとした少年のような笑顔と大きなガッツポーズにクラブハウス全体が和やか雰囲気に包まれた。

 エンゼルスのチーム内に流れる空気はどこか温かい。良くも悪くもピリピリしておらず、家族的な雰囲気がある。同じ5月下旬のオークランド遠征時のクラブハウス。大谷を見つけたトラウトが「ショータニ!」と、“大谷”と“翔平”をミックスさせた新たなニックネームを叫んだ。大谷が「おかしいだろ!」と思い切り日本語で応えるなど、2人で笑い合う姿は本当に微笑ましかった。

 首脳陣も大谷を温かい目で見守っている。今季就任したブラッド・オースマス監督は「レギュラーのDHで使う」と大谷の復帰前から明言。「大谷の前に出塁率の高いトラウトを置きたい。打順は当分、変えない」と、2番・トラウト、3番・大谷の並びで起用し続けている。ジェレミー・リード打撃コーチも「打席ごとに良くなっている。苦しんでいるように見えるが少しずつ昨年の翔平に戻りつつある。スイングの軌道が良いから低めの球も打てる」と称賛し、長い目で大谷の状態が上がるのを待っている。

 昨季同様、大谷の試合前フリー打撃の打球飛距離は規格外で、手術した右肘の影響は感じられない。3連発、4連発は当たり前で前述のオークランド遠征では、センター後方3階席まで届く推定飛距離140メートルの超特大弾を放ち、敵地ファンからも大きな拍手と歓声を浴びた。

 エンゼルス内外に無用なプレッシャーはない。のびのびとやりたいことに集中できる環境が大谷の精神的な支えになっている。1日(日本時間2日)時点で打率・238、3本塁打、13打点。まだ本来の姿ではないが、最高の環境でプレーする大谷の大爆発は近いと感じている。(記者コラム・柳原 直之)

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