日本ハム杉谷、日本人8人目スイッチ弾「“スギノール”として頑張っていく」

[ 2019年5月24日 06:20 ]

パ・リーグ   日本ハム11―2楽天 ( 2019年5月23日    札幌D )

6回2死二塁、2打席連続本塁打を放つ杉谷(撮影・高橋茂夫)
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 札幌ドームがどよめいた。「マジか…」。打った杉谷本人も驚きの表情を浮かべた。左右両打席の一発は、球団では07年のセギノール以来12年ぶり。「いじられ屋」としての本領も発揮した。今季初アーチを打っても、ベンチ前でのハイタッチがない。2打席連発してもナインから無視されると、自ら鶴岡に抱きついた。今季2度目のお立ち台。ここでも軽妙なトークでファンを笑わせた。

 「メジャーはサイレント・トリートメントですけど、あれはサイレント・サイレントで、ただの無視ですよね。セギノール以来ということで、これから“スギノール”として頑張っていきたいです」

 左腕・辛島対策として両打ちの28歳が「2番・中堅」で先発出場。初回に先制の中犠飛を放ったムードメーカーは、5回に右打席で最初の快音を響かせた。ファウルを連発して粘り、10球目の直球を左翼席へ運んだ。6回は右腕・今野と対戦。左打席から矢のような低い弾道のライナーを右翼席に突き刺した。

 「いつか、もらったパワーが爆発する」と期待していたことが実現した。4月27日に札幌市内で旧知の仲である小林陵侑と食事。スキージャンプ男子で日本人初のW杯総合優勝を果たした22歳の若きスターと時間を共有した。特に感銘を受けたのは「ジャンプしている間は何も考えていない。無心です」という言葉。「打席では一喜一憂せずに集中しよう」と決意し、この日の2本につなげた。

 連敗を4で止めた栗山監督も「(本塁打は)見てなかった」と最初は杉谷をいじったが、「結果的に大きかった」と評価。開幕からなかなか波に乗れないチームにラッキーボーイ誕生の予感だ。 (山田 忠範)

○…杉谷(日)が5回に右打席、6回に左打席で本塁打。左右両打席本塁打は18年8月1日オリックス戦で田中(楽)が記録して以来19人目(42度目)。うち日本人では8人目(17度目)となった。また、日本ハムでは07年6月19日広島戦のセギノール以来12年ぶり4人目(7度目)、日本人では87年7月8日近鉄戦の白井一幸以来32年ぶり2人目だ。

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