広島・大瀬良、91球完投で4勝目 2年ぶり9連勝 緒方監督へ弔い星届けた

[ 2019年5月23日 05:30 ]

セ・リーグ   広島3―1中日 ( 2019年5月22日    マツダ )

ヒーローインタビューを終えた大瀬良は西川(左)と鈴木(右)に水をかけられる (撮影・奥 調)
Photo By スポニチ

 広島・大瀬良大地投手(27)が22日の中日戦でリーグ最多3度目の完投で4勝目を挙げた。6者連続三振を奪うなど6回1死まで完全投球。わずか91球で9回を3安打1失点に抑えた。実父・義雄氏の死去で緒方孝市監督(50)が不在だった一戦での弔い星。2年ぶりの9連勝に貢献し、2位・巨人に1・5ゲーム差を付けた。

 カットボールが冴えている日の大瀬良は、打たれない。2回先頭のビシエドから6者連続での空振り三振。そのうちの4三振をカットボールで奪い、球団記録の長富浩志(88年6月7日の阪神戦)、紀藤真琴(同8月12日の大洋戦)の7者連続三振にあと1まで迫った。6回1死から加藤の右前打で完全投球は途切れても、失点は7回に許した高橋への適時二塁打のみ。3試合連続の無四球で球数を91球に抑えて、両リーグトップとなる3度目の完投につなげた。

 「アツさん(会沢)も、そこ(カットボール)を要求していたので、調子はいいんだろうなと感じていた。前回は直球がシュート回転していたので、角度をつけて強い球を投げようと思った」
 昨季は1年間を通して先発ローテーションを守り、2完投で182回を投げ抜いた。「柱と言ってもらえるように」と今季目標は200投球回という未体験の大台に設定。開幕から9度目の先発を終えて積み上げた計68回は両リーグ最多へ浮上し、昨季5月終了時の61回2/3を既に上回る。

 増え続ける対戦データも無駄にはしない。次回の対戦相手の資料は常にかばんに入れて持ち歩き、「去年は1試合終わると、頭と体が疲れていた。だけど、データは去年のものが入っているから、今年は頭の疲れは感じにくくなった」と笑ってうなずいた。

 実父の死去による緒方監督の不在は練習前に伝えられた。「監督が掲げる野球をやることが僕たちにできること」。監督代行の高ヘッドコーチを「相手を圧倒する立ち上がりだった。素晴らしい」と安心させ、継投の苦労を与えなかった。2年ぶり9連勝で首位を守り、2位・巨人に1・5ゲーム差。緒方監督が戻る24日からの直接対決へ、エースとして最高の形で弾みを付けた。(河合 洋介)

続きを表示

この記事のフォト

2019年5月23日のニュース