呉市に「鶴岡一人記念球場」 呉二河球場の愛称に名将の名

[ 2019年4月26日 19:16 ]

「鶴岡一人記念球場」の文字を背に写真に収まる鶴岡一人氏の長男・山本泰氏(左)と次女・鶴岡香氏
Photo By スポニチ

 呉が生んだ昭和の偉人の名前が、令和から地元の球場に刻まれる。呉市は26日、同市に本社を置く大之木建設株式会社と呉二河球場のネーミングライツ契約を交わし、5月1日から2024年3月31日までの約5年間、球場の愛称が「鶴岡一人記念球場」となることが決まった。

 鶴岡一人氏は呉市出身。プロ野球・南海の監督として歴代1位の1773勝を挙げ、退任後はスポーツニッポン評論家としても健筆を振るった。大之木建設の創業者の一人、大之木一雄氏が広島商で鶴岡氏の1学年先輩だったことから家族ぐるみの付き合いが始まり、監督在任中には南海が呉でキャンプを張ったこともある。昭和43年の監督退任後から逝去まで同社の非常勤取締役を務め、得意先などを開拓した。現在も鶴岡氏の次女・香氏が同社大阪営業所の営業課長を務めている。鶴岡氏の持つ豊富な人脈も同社の発展に大きく寄与したことから、大之木洋之介社長(55)は球場名に企業名でなく偉人の名前を選んだ。「まずは呉市の(西日本豪雨)災害復興に使われるということで、その一助になれば。また、何より呉市にとって、こんなにすごい方がいらっしゃるということがどうしても時代の流れとともにだんだん薄れてきているという状況の中で、今一度、呉にはこんなにすごい方がいらっしゃるということを知っていただきたい」と応募に至った経緯を明かした。
 鶴岡氏の長男でMLBマリナーズのスカウトも歴任した山本泰氏(73)は「呉に親父が埋もれて(魂を埋めて)くれればそれが一番いいんじゃないかと。呉に名前が残るということはありがたいことだし、非常に名誉なことだと思う」と喜びを語り、「広島県というのは(高校野球の)メッカですから、強い広島県になってほしい。そのためにも鶴岡一人という名前で役に立てればいい」と地元の球児たちにもエールを送っていた。呉市は鶴岡一人氏をはじめ、藤村富美男氏、広岡達朗氏ら多くのプロ野球選手を輩出している。

続きを表示

2019年4月26日のニュース