楽天・渡辺直 珍しい“大記録”に王手「早く達成したいですよ」!?

[ 2019年4月16日 13:10 ]

楽天の渡辺直人内野手
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 楽天の渡辺直人内野手(38)が珍しい“大記録”に王手を掛けている。通算100死球。球界で過去に20人しか達成していない節目の記録だ。4月12日のソフトバンク戦(楽天生命パーク)で代打で出場し、通算99個目となる死球を受けた。

 安打や本塁打などのように自力で達成できる記録ではない。一歩間違えば選手生命に関わる大けがを負うリスクだってある。「経験してみれば分かるでしょうけど、そりゃ痛いですよ。寒い時期は筋肉が固くなっているから痛い。当たる場所にもよりますけど、意外と痛くなかったりもするんですよ」。あっけらかんと話すが、一般人には耐えられない激痛であることは想像に難くない。それでも、笑いながら「まあ、長くやってきたからというのもあるしね。あと1個でしょ。節目だし、早く達成したいですよ」と話す。

 相手の投げミスによるもので、予測は不能だが「骨が飛び出ているところには当たらないように、避けるようにはしている」と言う。球速の遅い変化球ならまだしも、時に150キロに近い剛速球が体を直撃することもある。それでも平然とプレーを続けるのは、普段から体を鍛え上げているプロだからこそ。

 渡辺直が貫いてきた哲学がある。「レギュラーでずっと試合に出ていた時からそうだけど、とにかく塁に出ること。それが一番大事。今は出場機会も少ないので、余計に何が何でも塁に出たいという気持ちは強いですね。どんな形でもベンチの期待に応えたい」。死球は時に試合の流れを大きく変えてしまうプレーだからこそ「僕も痛いけど、相手投手の方が痛いでしょ」と死球を恐れない。さらに「今まで死球で離脱したことは一回もないんですよ」と胸を張る。

 ちなみに、過去20人の通算100死球達成者を調べてみた。清原和博が196でトップ。他にも衣笠祥雄や井口資仁、稲葉篤紀、田淵幸一、松中信彦、王貞治、古田敦也、高橋由伸ら、そうそうたる顔ぶれが並ぶ。直近では12年8月17日に村田修一が達成している。村田と渡辺直は同じ1980年生まれの「松坂世代」だ。同年生まれの記者は人一倍、痛がりなので「早く達成できると良いですね」とは言えなかった。(記者コラム・重光晋太郎)

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2019年4月16日のニュース