中畑氏 ホームランは野球の華だが…ボールが飛びすぎると思ってるの私だけ?

[ 2019年4月16日 08:30 ]

<西・オ>5回無死一、二塁、3ランを放つ山川(撮影・尾崎 有希)
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 【キヨシスタイル】ひと回りの対戦を終えたプロ野球。気になっていることがある。凄い勢いでホームランが飛び出していることだ。

 去年の同じ時期と比べてセ・リーグが65本から95本、パ・リーグは63本から81本に。満塁弾も両リーグですでに6本も出ている。

 パはロッテが7本から21本へ3倍増。本拠地のZOZOマリンスタジアムに外野が最大4メートル狭くなる「ホームランラグーン」が新設されたのが大きいけど、セは単純に30本増えている。

 ホームランはプロ野球の華。ひと振りで4点入る可能性もある。一発大逆転があるからこそ、どんな展開になっても最後まで諦めない野球ができるんだ。

 息詰まる投手戦もたまにはいいけど、見る側にとっては動きのある野球の方が面白い。最後は豪快な一発で…。醍醐味(だいごみ)だよね。でも、あまりに多いと感動が薄れる。

 動くボールへの対応など打者の技術が上がっているのは事実だけど、それだけじゃない。非力な選手のこすったような打球までオーバーフェンスしている。そう、ボールがよく飛ぶんだ。

 ホームラン数はボールの仕様で大きく変わる。反発係数を抑えた統一球が導入された2011年は両リーグで前年の1605本から939本に激減。12年は881本とさらに減った。

 これじゃ面白くないってことで、こっそり飛ぶようにした13年は1311本。そのへんでしばらく落ち着いていたけど、一昨年あたりからまた飛ぶようになった気がする。

 調べてみたら17年は1500本。去年は1681本で、統一球導入の前年を超えていた。今年はその去年をさらに上回る勢いってわけだ。

 NPBは15年から統一球の反発係数は「0・4134」を目標値とすることにして、納品後の抜き打ちだった規格検査を月1回納品前に行うようにしているらしい。検査はきちっと行われているはずだけど、ボールが飛びすぎると思ってるの私だけ?

 ホームランは野球に欠かせない魅力。だからこそ質を求めたいんだ。飛ぶボールが野球をつまらなくするなんてことは、絶対に避けなきゃいけない。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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2019年4月16日のニュース