阪神・西 笑顔の秘密

[ 2019年4月8日 10:00 ]

セ・リーグ   阪神9―0広島 ( 2019年4月7日    マツダ )

完封で移籍初勝利を挙げ、歓喜の西(撮影・成瀬 徹)
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 新・鯉キラーや! 阪神の西勇輝投手(28)が7日、広島戦(マツダ)で移籍後初勝利を完封で飾った。被安打6の9奪三振快投で、今季12球団一番乗り。西の完封勝利はオリックスに在籍した17年4月9日の日本ハム戦以来728日ぶりだ。あす9日から今季初めて甲子園でDeNAと戦う猛虎。西がリーグ3連覇中の王者をなで切り、最高のムードで本拠地開幕を後押しした。

 
 マウンドで笑みを浮かべれば、時には敵軍から反感を買うかもしれない。ピンチの時なら、自軍からも「何だ?」と思われるかもしれない。しかし、笑顔でいることはそんなに悪いことだろうか?

 「本当に心から楽しんで野球をやるべきだと思っています。何回か野球ができなくなった身なので。今、自分がマウンドに立てていることの幸せ、ありがたみもわかるので」

 オリックスに在籍した10年に特発性顔面神経麻痺(まひ)を患い、15年には顔面けいれんで先発を緊急回避した経験がある。だから、西が見せる笑顔は心の奥底から野球を楽しんでいる証しでもあるのだ。それに、笑顔は過剰な力を抜く効果もある。

 今季の阪神はヒットを放つと、塁上でガッツポーズをする選手が多い。西は「すごくいいこと」と同調する。「幸せを味わえない2軍の選手だっている。その代表として、責任を持ってマウンドに上がるのが義務なので」。笑顔の裏には、覚悟と決意もにじんでいる。(吉仲 博幸) 

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2019年4月8日のニュース