楽天 銀次 プロ14年目で1軍初の捕手出場 盗塁刺した

[ 2019年4月8日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天5-5オリックス ( 2019年4月7日    京セラD )

9回からマスクを被った銀次(撮影・井垣 忠夫)
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 レガース姿の楽天・銀次がナインと大声でハイタッチを繰り返した。「この引き分けは大きい!」。宋家豪(ソンチャーホウ)を除くベンチ入りメンバーを使い切った総力戦に、平石監督も「銀次はこんな緊張する場面で本当によくやってくれた。勝ち以上の引き分けじゃないですか」と興奮気味に話した。

 3点を追う9回、先発の嶋に代わって途中出場でマスクをかぶった足立の代打に藤田を送った。藤田の安打からチームは5―5に追いついた。だが、ベンチに捕手はいない。入団時に捕手だった銀次が重責を担った。1軍では初の捕手出場。09年秋に内野手に転向したが、2軍でも同年9月24日のイースタン・リーグ、ヤクルト戦以来、10年ぶりだった。

 「あんなキンキン(に緊張する)の場面で150キロの球を受けるんですから。自分しか(捕手は)いない。後ろにそらしちゃいけないと必死だった」

 9回2死一塁からは二盗を試みた西浦をダイレクト送球で刺した。これがチーム今季初の盗塁刺。実は守備に就く前、ベンチで光山バッテリー兼守備作戦コーチに「二塁送球はワンバウンドでいいぞ」と言われたが「ノーバンで投げられます」と答えていた。球団公式ツイッターには「銀次キャノン!!!!!」の文字が躍った。

 大慌ての舞台裏。捕手・足立に代打を送ると同時にベンチは銀次へ「用意しておけ!!」と指示。即座にブルペン内で松井とサインの確認を行った。レガースは足立に借りた。投球練習中は借りたミットが合わず、1度戻って足立のミットを手にした。光山コーチから出たサインを投手へ伝え必死にリード。ファウルチップを足に受けても、松井、ハーマン、森原の球に食らいつき、4イニングを1安打無失点で切り抜けた。

 3月上旬に静岡・草薙のブルペンで石橋相手に銀次が捕手役を務め、不測の事態に備えてきた。「ボール捕るのは得意ですから」と銀次。14年目の主将の意地と責任感が執念のドローを呼んだ。 (伊藤 幸男)

 ○…ツイッターのリアルタイム検索で「銀次」が1位へ駆け上った。09年9月4日のヤクルト戦で急きょ捕手を務めた巨人の木村拓也さんを思い出す人も続出。木村さんは巨人コーチだった10年4月2日、広島戦前のシートノック中にくも膜下出血で倒れ、帰らぬ人に。37歳で亡くなった日が4月7日とあって「木村拓也の命日に銀次がマスク」「天国でびっくりしてるやろうね」などの声も上がった。

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