原巨人「勝利の方程式」形成へ 頭角を現す若手リリーフ陣

[ 2019年4月3日 10:30 ]

巨人・中川
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 敵地・広島での開幕3連戦を2勝1敗で勝ち越した巨人。守護神のクック、セットアッパーの吉川光とともに形成する「勝利の方程式」には若い投手が日替わりで入っていた。

 大江、桜井、戸根、中川、宮国。若い5投手が開幕カード、しかもリーグ3連覇中の広島の本拠地で投げた。貴重な舞台は素晴らしい経験となったはず。原監督は「本人がどう糧にするか」と先を見越し、宮本投手総合コーチは「クックの傘下にはいっぱい(若手の)枝が生えている感じ」と今後も状態を見極めて起用する方針だ。

 本来、チームとしては固定して戦えるのが理想だが、こういう状況でスタートしたからには若手投手陣にはこの好機を生かしてもらいたい。3月31日の開幕3戦目には、中川が好リリーフで今季初勝利をマークした。「いい意味での開き直り。自分のボールを投げることだけを意識した」。指揮官も「今日はやっぱり中川。向こうに勢いがいってる時に、止めたことが大きい」と頼もしげだった。

 中川は今季から腕の位置をサイドスローに近い低さまで下げた。4年目。過去3年間は防御率4点台以上と満足のいく結果を残せず、「何かを変えないといけない」という強い覚悟からだった。1月の自主トレでは菅野の門下に入り、極意を学んだ。控えめな性格だが、マウンド上では少しずつではあるが大胆さも備わってきた。

 中川が光った一方で、桜井は役目を果たせぬまま降板した。原監督も報道陣を通じて苦言を呈し、発奮を促した。桜井も、まだシーズンは始まったばかり。チームの切磋琢磨から競争が生まれ、やがては「勝利の方程式」を担う重要なポジションを固定できれば首脳陣の狙い通りとなる。

 2番・坂本勇や新加入の丸など話題は目白押しだが、現代の野球では「勝利の方程式」の存在は不可欠。頭角を現す若手リリーフ陣の争いも、楽しみだ。(記者コラム・川手 達矢)

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2019年4月3日のニュース