石岡一・岩本、悪夢の“171球”目 サヨナラ悪送球で無念の延長敗退

[ 2019年3月26日 05:30 ]

第91回選抜高校野球大会1回戦   石岡一2―3盛岡大付 ( 2019年3月25日    甲子園 )

<盛岡大付・石岡一> 延長11回(盛)1死満塁、島上のゴロをさばいた岩本だが、本塁に悪送球してサヨナラを許してしまう(撮影・大森 寛明)
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 悪夢の「171球目」となった。延長11回1死満塁。石岡一(茨城)の岩本は投ゴロを本塁へ悪送球し、がっくりと膝をついた。サヨナラ負け。21世紀枠で春夏通じて初出場し、170球を投げ抜いたエースは「勝ちたい気持ちが強すぎてゲッツーを取ろうと焦ってしまった。あと一歩のところで勝てなくて悔しい」と唇をかんだ。

 昨夏甲子園で準優勝した金足農・吉田輝星(現日本ハム)に憧れ、最速147キロを誇る右腕。同じ農学系の公立校である石岡一を甲子園に導き、「輝星2世」と注目を集めた。「吉田さんの抑えるところを見て刺激をもらいたくて」と甲子園に向かうバスで昨夏の吉田輝の投球を映像で眺め、闘志を高めた。

 強打の盛岡大付打線に対し「速球に強いので変化球の緩急で抑えるテーマを持った」。最速144キロの直球から90キロ台のカーブを巧みに使い、初回先頭から4者連続三振。8回まで11三振を奪った。

 だが完封目前の9回に2度の「あと1球」から追いつかれた。「1点を争うゲームで苦しかった。スピードも握力も落ちてしまった」。2死一塁、カウント1―2から小野寺に二塁打。小川にも1―2から同点2点打を浴びた。外角スライダーで追い込むも、内角の140キロ直球を右前に運ばれ「外を意識させて内の直球で詰まらせたかったけど、力のない球で勝負してしまった。変化球を投げていれば…」と悔やんだ。

 9回以降は三振も奪えず、体力不足を痛感した。それでも、全国の強豪相手でも抑えられる実力も示した17歳は「夏に吉田さんのような活躍ができるように」と夏の旋風を誓った。 (武田 勇美)

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2019年3月26日のニュース