DeNAドラ3大貫、広島相手に堂々5回零封 “6番目の男”濃厚に

[ 2019年3月21日 08:19 ]

オープン戦   DeNA1―0広島 ( 2019年3月20日    横浜 )

ベンチへ戻る先発・大貫(右)と嶺井(撮影・島崎忠彦)
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 DeNAのドラフト3位・大貫晋一投手(25=新日鉄住金鹿島)が20日、広島とのオープン戦でプロ初先発し、5回を5安打無失点でプロ初勝利を挙げた。リーグ3連覇中の王者を相手に粘り強い投球を見せ、オープン戦計2試合の登板で9回連続無失点。1位・上茶谷大河投手(22=東洋大)とともに、異例の新人2人の開幕ローテーション入りが濃厚となった。

 耐えた。広島の強力打線に5安打を浴び、4四球。5回を投げた大貫は毎回走者を許しても、最後まで本塁を踏ませなかった。

 「何とかゼロで粘り強く投げることができた。ハマスタのマウンドで投げてプロ野球選手になったという思いが湧いてきました」

 プロ初先発。「試合前はえずきました」と極度の緊張から吐き気をもよおした。試合に入れば一変する。初回2死一塁で4番・鈴木を迎えると果敢に内角を攻めた。2球目、内角に投じた速球はこの日最速の146キロ。3球目も内角だ。144キロで詰まらせ、遊飛に打ち取った。3回以降は球が浮き「単純にスタミナ不足。先発としてつくっていかないと」と課題も口にした

 日体大4年時、関東学院大戦で立って以来の横浜スタジアムのマウンド。しかしこの時は救援で、先発したのは3学年下で西武ドラフト1位の松本航だった。同じ年にプロ入りした後輩は既に開幕ローテーション入りが確定。同僚の1位・上茶谷も手中に収めている。2人を見て「刺激というか追いつけるように頑張りたい」と控えめに燃やしていた闘志。巡ってきたチャンスで即戦力の力を示した。

 ラミレス監督は「スピードも安定していて球種の使い方もいい。セルフコントロールする力も持っている」と絶賛。開幕ローテーション入りについては「あると思う。今日こういう投球をしたことを忘れることはできない」と言った。キャンプから実戦5試合で計15回を2失点と安定感は抜群。試合後には先発枠を争うバリオスの2軍落ちが決まった。「一つ一つ結果を残すだけ」と表情を引き締めた横浜市生まれの生粋のハマっ子が、「6番目の男」の座を奪い取った。(町田 利衣)

 ▼DeNA三浦投手コーチ(大貫について)救援でも良かったし、それで先発してしっかり結果を出した。ナイスピッチングでした。

 ◆大貫 晋一(おおぬき・しんいち)1994年(平6)2月3日生まれ、横浜市出身の25歳。奈良小時代に野球を始め、奈良中では横浜青葉シニアに所属。桐陽では3年夏に神奈川大会8強で甲子園出場なし。日体大では2年春に3勝してベストナインに輝いた。新日鉄住金鹿島では昨年の日本選手権で2勝を挙げて4強入りに貢献。1メートル81、73キロ。右投げ右打ち。

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