名前が載ってなくても…阪神 鳥谷 実戦初打席で快音

[ 2019年2月11日 05:30 ]

シート打撃で左中間二塁打を放つ鳥谷(撮影・大森 寛明)
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 阪神の沖縄・宜野座キャンプは10日、遊撃のレギュラー奪回をめざす鳥谷敬内野手(37)がシート打撃で左中間二塁打。今春の実戦初打席で快音を響かせた。きょう11日の紅白戦にも出場が決まり、猛アピールを続けるドラフト3位ルーキー、木浪聖也内野手(24=Honda)の挑戦を真っ向から受けて立つ。

 あれ? 打つの? 練習メニュー表には名前が載っていない鳥谷が打席へ向かう。1死一、二塁の設定で守屋と対峙するとカウント2―2からの7球目、内角を目がけた141キロの直球がやや甘く入ったところを逃さなかった。左中間を深々と破る2点二塁打だ。

 はたしてシート打撃参加は志願だったのか? 「いえ、紙に名前を書いてもらえなかっただけなんです」。ん? どういうこと? 浜中打撃コーチも「記入ミスです。“あれ? 鳥谷はどこに行った?”って探していましたから」と申し訳なさそうに説明する。それでも、急きょヘルメットをかぶって対戦モードに切り替えた今春初実戦で、しっかりと結果を出したのは、さすがとしか言いようがない。

 走攻守でベテランとは思えないハッスルぶりを見せて、矢野監督から第1クールのMVPに選出された。浜中コーチも「元々、7日の紅白戦でもいけると話していたぐらいの仕上がりの早さ。本気で(遊撃を)取りにきているのがわかる」と舌を巻くほどの状態だ。

 その後、室内でも打ち込んだ鳥谷は、きょう11日の紅白戦に向けて準備を完了。出陣態勢を整えた。「試合には出してもらえるとは思いますけど(笑い)。普通です。頑張ります」とご機嫌で、気分よく球場を引き揚げていった。

 それ以上に満足そうなのが矢野監督だ。「俺も『打つんや』って思って。コーチは知ってたけど、1打席だけ立ちたいというのがあったみたい。結果を出せたのはトリにとってもデカいし、競争という意味でもデカい。本当に元気で最後のランニングであそこまでやる姿勢は、トリのいろんな気持ちを表していると思う。本当に楽しみになってきた」

 就任直後に真っ先に面談して「何がしたい?」「もう一度、ショートで勝負したいです」とのやり取りがあっての遊撃再転向。北條との再戦に、新人ながら猛アピールを続ける木浪の挑戦も受ける。矢野監督にとっては狙い通りの熱い遊撃バトルが始まる。

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2019年2月11日のニュース