西武ドラ1松本航が剛球披露 森うなった「体感は180キロ」

[ 2019年2月3日 06:30 ]

ブルペン投球を行う松本航(撮影・尾崎 有希)
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 西武のドラフト1位・松本航(わたる)投手(22=日体大)が2日、連日のブルペン投球で初めて捕手を座らせて31球。正捕手の森を相手に推定150キロの直球を投げ込んだ。視察した開幕の相手となるソフトバンクの竹口昭憲スコアラー(59)は楽天・則本昂ばりの球威に警戒を強めた。マリナーズに移籍した菊池雄星投手(27)の穴を埋める第1候補に最速155キロ右腕が名乗りを上げた。

 松本航の力強い剛球が森のミットに収まり、心地よく乾いた音がブルペンに響いた。キャンプ初日は捕手を立たせての投球だったが、この日は捕手の森を座らせ投球。最速155キロの新戦力に辻監督や渡辺久信GMらが見守る中、全直球で31球を熱投した。

 「緊張しました。初めて(捕手が)座ったので、感覚を確かめたり、自分のフォームをしっかり持った中で投げるように意識した」

 緊張しながらも顔色一つ変えることなく、アマチュアとプロのマウンドの硬さの違いを確かめながら投球。初めて右腕のボールを受けた正捕手の森は「手が痛い。ボールの重さもあるし、スピン量もある。(スピード)ガンよりも体感の方が速く感じる。体感では180キロくらい」と驚きを隠せなかった。

 衝撃度は視察したソフトバンク・竹口スコアラーの言葉が物語る。「ボールへの伝わり方がいい。軽く150キロは超えているんじゃないか。真っすぐの質がいい」。さらに「楽天のエース・則本昂に似ている。ローテーションに入ってくる」と最多奪三振のタイトルを5度獲得している右腕を引き合いに警戒心を強めた。リーグ2連覇、悲願の日本一へ最大のライバルであり、3月29日の開幕カード(ヤフオクドーム)で激突する相手球団に強烈な印象を植え付けた。

 エース菊池が抜けた穴を埋める投手として期待は大きい。小野投手コーチは「指に掛かった球はいい。伸びてくるボールもあった。良い球をどれだけ投げられるか」とし、先発ローテーション候補と問われ「当然です」と話した。

 1月の合同自主トレ期間中にはカットボールを数球投げたが、キャンプイン後は直球だけにこだわって投げている。「まずは直球をしっかり投げ込めるように。そこからだと思っている」と松本航。打撃投手や今月中旬の紅白戦に向け「もっと感覚を取り戻していきたい。球速ではなく質で勝負していきたい」と意気込んだ。(武本 万里絵)

 【松本 航(まつもと・わたる)】

 ☆生まれ 1996年(平8)11月26日生まれ、兵庫県朝来市出身の22歳。冬の朝来市は積雪も多く、小さい頃は雪を投げて遊び「今の投球の基盤には、雪を投げていたことも関係しているのかな」。

 ☆球歴 小2から野球を始める。明石商1年夏からベンチ入りし、2年夏からエースを務める。甲子園出場はなし。日体大では1年春からリーグ戦に出場し通算30勝。

 ☆身長、体重 1メートル76、84キロ。

 ☆家族 両親と姉、妹。

 ☆趣味 スポーツをやること。姉妹がやっているバスケやバレーの練習にも付き合う。

 ☆座右の銘 「飛翔」。中学時代の恩師に日体大入学時にもらった。

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2019年2月3日のニュース