広島・田中、1番死守へ初3割目標「周りに何も言わせないくらいの成績を」

[ 2019年1月20日 05:30 ]

弟の巨人・田中俊(右)とアップをする田中広(中央)
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 広島・田中広輔内野手(29)が19日に沖縄県恩納村で自主トレを公開し、1番打者を死守した上で6年目にして初の打率3割到達を目標に掲げた。昨季は1番降格を経験するなど打率・262は自己最低。雪辱を強く期し、西武・秋山の助言を参考にした打撃修正に確かな手応えをにじませた。

 地味すぎる動きの連続は充実の証しでもあった。最高気温22度の沖縄で楽天・今江らが気持ちよく汗を流す中、田中広は一人別メニューで約1時間のジョギングを終えてから室内でのウエートトレーニングへ……。両翼100メートルの恵まれた施設をぜいたくに持て余した。「下半身を鍛え直していて、いい感じで体が張っていたので、今日は地道なトレーニングになった」。昨季のことを思えば、下準備にも慎重さが増した。

 「去年は悔しい思いをしたので、周りに何も言わせないくらいの成績を残したい。そのためには、1番で3割を打つということが結果が示すことになると思う」

 8月から1カ月間の1番降格――。昨季の悔しさは、いまだに忘れていない。「1番で絶対的な数字を残したい。勝敗を左右する、やりがいのあるポジション。いい仕事をした時の達成感とか…。そういった中で3連覇をしたプライドもある」。1番を譲らないための手段として、今季目標を未体験の打率3割に設定した。

 昨季の打率・262は過去5年間で自己最低。昨年11月の日米野球では侍ジャパンの同僚で3度の打率3割超えを誇る西武・秋山に意見を求めた。得た助言は「左肩を早く出さないこと」。最大のテーマに据えて自主トレを進めてきた。

 体に覚えさせるために「飛ばそうとしてしまう」というマシン打撃などは控え、素振りとティー打撃を繰り返した。「これで大丈夫かな…と思っても、映像で見るとキレイにバットが出ていたりする」と手応えは上々だ。昨季リーグ6番目に多かった118三振にも目を向け、「バットに当たらないとヒットにもならない。三振が30ぐらいは減れば、打率も変わってくる」とうなずいた。

 「打率は動くものなので、追い求めたくないタイプ。ただ、数字は目に見えて評価されるところなので、意識しながらやりたい」。少しでも低調と見なされれば、野間らが1番を狙う競争激しい赤ヘル。堅実な打棒で1番の座を再び不動のものにしたい。(河合 洋介)

 ○…田中広は楽天・今江ら10人と合同自主トレ中で、弟の巨人・田中俊とも“初合体”した。公開日の共闘は隣でストレッチをする程度で終えても、「こうやってずっと一緒にやるのは初めて。見て感じてくれているのであれば、凄くよかったなと思う。(広島でも)若い選手の手本になっていきたい」と兄貴としての一面をみせた。

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2019年1月20日のニュース