【矢野監督&赤星氏対談2】金本監督がつくった土台に「楽しむ」こと加えたい

[ 2019年1月2日 13:46 ]

清水ヘッド(右)と話す矢野監督
Photo By スポニチ

 赤星 「急きょ監督を要請されて、心の準備をする時間もないまま、やると決めることになったと思うのですが、やはり迷いなどはありましたか?」

 矢野 「今季は1軍のヘッドコーチという話で進んでいて、まさかこんなこと(金本監督の退任)になるなんてまったく思っていなくて」

 赤星 「だと思います。すごく葛藤があったのでは?」

 矢野 「う〜〜〜ん…、悩む時間すらも全然なくて、最初は正直、“オレが? どうすんねん?”て思っていた。だって金本監督に呼ばれていっしょに始まって、金本監督と片岡ヘッドコーチが離れる(退任)ということになって、俺だけ残っていいのか…と。2年目(17年)のオフに、(矢野監督と片岡氏の)どっちかが1軍のヘッドコーチで、どっちかが2軍監督という話になっていて、たまたま俺が2軍監督になっただけの話で、それで俺だけが残るのってどうなんよ? しかも監督で…? 自分の中ですごい複雑で、はじめは、ちょっと、できへんのちゃうかなと思ったのよ。でも、金本野球を続けられるのは俺かなって思って。まず金本監督と直接話をしないといけないと思って、そしたら金本監督から背中を押してもらって、それがあったから決断できた」

 赤星 「そこから、秋季キャンプも終わって、年も明けて、今はタイガースをどうしなきゃいけないと思っていますか?」

 矢野 「それも金本監督から引き継いだもので、バットを振る量とか体づくりとか今までの練習量をまだまだ継続させていかないといけない。土台は金本監督がつくってくれているから、そこに俺がやろうとしていることを付け加えるというか…」

 赤星 「それは、どのようなことですか?」

 矢野 「ベンチと試合したりとか、結果を恐れてプレーするとか、俺も現役時代にそうしてしまっていて、それはダメかなと。だって本当にすごい人って楽しめている。赤星は現役時代、楽しめることができた?」

 赤星 「いえ、僕は、ほとんど楽しめませんでした」

 矢野 「俺もそう。でも、どんな職業の人でもすごい人は楽しめてる。だから苦しい練習が苦しくなかったり、困難を乗り越えたりできる。プロ野球も楽しめたら最高やなって」

 赤星 「はい、それができたら最高ですね」

 矢野 「例えば1死満塁でゲッツー打ったらどうしようと考える自分と、よーし打ってヒーローになったろうと考える自分の2人がいるはずなんだけど、どうせなら打ったろうって思って打席に向かった方がいい結果が出ると思うし、結果が悪くても次に向かえるはず。楽しむってめちゃくちゃ難しい部分で、俺の中では究極なんだけど、練習からその気持ちでやった方がいいのとちゃうかなと思って、昨年、2軍監督でそれをぶつけてみたら結果が出て、選手たちからそれでええんちゃうという答えをもらった気がしているのよ。確信まではいってないけど、この姿勢の方がいいのかなと思っている」

続きを表示

2019年1月2日のニュース