雄星、ジャイアンツ本命浮上!ボラス氏と近々“スイート交渉”

[ 2018年12月12日 05:30 ]

西武の菊池
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 西武からポスティングシステムで大リーグに挑戦する菊池雄星投手(27)の争奪戦で、西海岸で日本選手が所属していないジャイアンツが本命に浮上した。球団幹部や代理人らが一堂に会するウインターミーティングが10日(日本時間11日)開幕。ジ軍は開催期間中にスコット・ボラス代理人(66)との初交渉に臨む。契約総額が6年で最大9000万ドル(約101億7000万円)にも及ぶ可能性のある争奪戦が過熱していく。

 ファーハン・ザイディ編成本部長は球団担当記者の取材に応じ、一両日中にも初交渉のテーブルに着くと明かした。

 「(ボラス氏と)話し合って、会う約束を取り付けた。菊池?話し合いの主題が、その件になるのは確か」

 豪華なホテルが林立するカジノの街、ラスベガスが今年の舞台となったウインターミーティング。球団が期間中に確保している高級ホテルのスイートルームで行われる予定だ。

 関係者の話を総合すると、菊池は日本からの移動距離が比較的短く、住みやすい西海岸の球団を望んでいるもよう。日本人同士で先発枠を争いたくないという思いから、日本選手の所属していない球団を優先するとの情報もある。これらにジ軍は合致。また、本拠AT&Tパークは球場の広さや湿った海風の影響で、最も本塁打の出にくい投手有利の球場とされる。

 ザイディ編成本部長は5日、地元サンフランシスコのラジオ局の取材に「多くの日本選手は西海岸を好む傾向があり、うちにも十分チャンスがある」と語った。来オフFAのエース左腕バムガーナーはトレード要員となる見込みで、通算125勝の右腕クエトは右肘じん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)のため来季は全休する。先発陣の柱が必要で菊池獲りに全力を尽くす。

 初交渉は、代理人側が球団に、さまざまな説明を求める形が通例だ。まずはボラス氏がジ軍側に菊池が必要な理由や期待する役割、見込んでいる活躍などをプレゼンさせ、球団はそれらに加えて住みやすさなど周辺の環境面もアピールする。金銭や年数などの条件面は2回目以降となる。

 5日にザイディ編成本部長が「来週あたりからプロセスは加速するだろう」と予告した通り、交渉がスタートする。ただ、マリナーズやフィリーズ、既にボラス氏と接触したヤンキースやレンジャーズなども黙ってはいない。米東部時間来年1月2日午後5時(日本時間同3日午前7時)の交渉期限に向け、熱いバトルが「本命」のジ軍を軸に展開される。

 ▽サンフランシスコ・ジャイアンツ 1883年にニューヨーク・ゴッサムズとして創設し、85年から1957年まではニューヨーク・ジャイアンツ。58年からサンフランシスコに移った。ワールドシリーズ制覇は8度。リーグ優勝23度はナ・リーグ最多。日本選手は過去、村上雅則、藪恵壹、新庄剛志、田中賢介、青木宣親が在籍。本拠AT&Tパークは右翼場外にマッコビー湾が広がり、本塁打が海に飛び込む「スプラッシュ・ヒット」で有名。

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2018年12月12日のニュース