阪神ドラ2小幡 身体能力半端ない!自身も驚き「足が速いと思ったことなかった」

[ 2018年12月3日 05:30 ]

垂直跳びで跳躍力を見せる小幡(撮影・成瀬 徹)
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 思わぬ「足戦力」発見!阪神が今秋ドラフトで指名した新入団予定7選手が2日、甲子園球場などを訪れ、施設見学と体力測定に臨んだ。ドラフト2位・小幡竜平内野手(18=延岡学園)は30メートル走でトップの3秒98をマーク。遠投115メートルのスローイングに加え、既にチームトップクラスの俊足を兼ね備えている逸材だった。

 本人もビックリ!?の事実が発覚だ。垂直跳び、立ち幅跳び、30メートル走、10メートル走の4種目で行われた体力測定。所用のため不参加だった俊足のドラフト1位・近本に代わって「足」で球団関係者を魅了したのは小幡だった。伊藤敦規トレーニングコーチも、驚きを隠さなかった。

 「小幡君は、あれだけバランスのいい走り方で、30メートル走を3秒台ですからね。江越が同じ条件で走って3秒9台。あのバランスで、あのスピードが出せるのは素晴らしい」

 小幡が叩き出したタイムは3秒98。これは昨年、「桐生に勝った男」として鳴り物入りで入団した島田が体力測定で計測した3秒99を上回っている。チーム一の俊足として認知される植田が最速3秒90で、4秒を切る選手はチーム内でも10人に満たない。高卒ながら既に足に関しては即戦力と言える脚力。しかも小幡本人には、その自覚がないから末恐ろしい。

 「自分は足が速いと思ったことはなかったので、特に(思うところはない)ですかね」

 30メートル走のタイムに関して問われても、ほとんど意に介さない。そもそもアピールポイントと思っていなかった節すらあった。さらに足についての質問が続いたが、「自信はないですね。(高校時代は盗塁もあまり)していないですね」と首をかしげ、最終的には「走ることに関しては、まったく(こだわりがなかった)……」とまで言い切った。自らも想定外のタイムだった。

 しかも伸びしろ十分だ。高校時代はウエートトレーニングを重視しておらず、ほぼ天然の脚力。それでこのタイムということは、下半身の筋力を強化すれば……。ウサイン・ボルトが09年の世界選手権100メートル走で世界記録9秒58を叩き出したレースでの30メートル到達タイム3秒78も、決して夢物語ではない。

 今後の課題については「線が細いので、まだまだこれから大きくしていきたいと思っています」と話し、「盗塁を決められるようになりたい」と目標も掲げた。垂直跳びでも6選手中2位の71センチを記録し、バネを兼ね備える逸材。守備とスローイングが持ち味とされていたが、実は「足戦力」でもあった。(惟任 貴信)

 ▽30メートル走 主に速筋を使う30メートル走は瞬間的なスピードを鍛える目的でサッカーのトレーニングでも採り入れられることが多い。野球でも塁間27・431メートルと距離が近く、走力の指標の一つとされている。この距離なら陸上選手とも遜色なく、ウサイン・ボルトが09年の世界選手権で男子100メートルの世界記録(9秒58)を出した際の30メートル到達は3秒78だった。ちなみにサッカー元日本代表FWの浅野拓磨は3秒67でトップクラスと言われている。

 ◆小幡 竜平(おばた・りゅうへい)2000年(平12)9月21日生まれ、大分県出身の18歳。明野北小3年からソフトボールを始め、投手兼遊撃。明野中では大分明野ボーイズで遊撃手。延岡学園では1年秋から遊撃レギュラー。リードオフマンを経て2年秋から4番を務める。3年春に選抜大会出場も初戦敗退。広角に打ち分ける打撃と遠投115メートルの強肩を生かした守備が持ち味。1メートル81、73キロ、右投げ左打ち。

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