ソフトB・城所 代打や代走「待機」の15年感謝 イチローも着用Tシャツで人気者に

[ 2018年12月1日 11:00 ]

引退会見で寂しそうな表情の城所(撮影・岡田 丈靖)
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 ソフトバンク・城所龍磨外野手(33)が11月30日、ヤフオクドームで引退会見を行った。15年間、ホークス一筋でプレーし「キドコロ待機中」のフレーズでファンに親しまれた男が、家族やスタッフ、ファンに感謝の言葉を並べ、現役生活に別れを告げた。今後については未定で、球団と話し合うとした。

 涙は必死にこらえた。引退会見を終えると、サプライズで登場したOBの松中信彦氏、福田から花束を受け取った。「秀平(福田)が来るのは分かっていたんですけど、松中さんは知らなくて…」と感慨にふけった。

 今季は41試合の出場にとどまり、チームの日本一決定翌日に球団から戦力外通告を受けた。12球団合同トライアウトを受験し、シート打撃では2安打を放ったが、他球団からのオファーはなかった。「11月いっぱいで声が掛からなければ、引退しようと決めていた。区切りをつけて、第二の人生をスタートさせたいと思っていた」と明かした。

 ホークス一筋15年。思い出に残るシーンには入団2年目のプロ初出場の試合を挙げた。「大道さんの代走で出て、本間さんの打球が足に当たって守備妨害。母から“失敗からのスタート。龍磨らしいね”というメールが来た」と振り返った。度重なる故障に苦しみ、手術は4度、受けた。「苦しいときが多かったが、家族、両親、ファン、球団の方々の支えがあってここまでで来た」と感謝した。

 代打、代走など途中出場が多く「キドコロ待機中」のフレーズでファンに愛された。イチローが同フレーズのプリントされたTシャツを着用したこともあり「イチローさんが着てくれて反響があった。僕らしいのかなと思う」。今後については未定だが、球団と話し合いを続ける。「待機ばっかりしていましたけど、皆さんのおかげで15年できた」。しばしの「待機」を経て、第二の人生の出発を切る。

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