中畑清氏 夢があるFA丸への巨人30億円オファー プロの評価はあくまでもお金

[ 2018年11月27日 08:30 ]

広島からFA宣言した丸
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 【キヨシスタイル】広島からFA宣言した丸の去就が注目を集めている。スポーツ各紙には「30億円」という見出しが躍ってさ。最初は「そんなにもらえるの?」ってやっかんだよ。

 私の現役時代の最高年俸は5200万円。1億円が果てしなく遠かったのに、30億円だよ。メジャーのスーパースターなら1年で稼ぐ額。こちらは複数年でだけど、日本のプロ野球もついにここまで来たかと思うと、うれしくなってきた。

 選手の待遇改善や地位向上を求めて各球団の主力選手と力を合わせ、労組・選手会を立ち上げたのは1985年。こういう夢のある世界にしたかったんだよね。

 プロの評価はあくまでもお金。日本では金銭よりチーム愛を優先すると美談になるところがあるけど、最も評価してくれる球団に行くのが当たり前の時代になってこそ球界が活性化すると思う。

 丸がもし巨人を選択するとしたら、来季の巨人は大きなアドバンテージを得ることになる。すでに今季パドレスで20本塁打を放ったビヤヌエバ、西武からFA宣言した炭谷、オリックスを自由契約になった中島を獲得。丸まで獲れたら、これ以上の補強はない。

 巨人はよく「優勝を金で買った」なんて言われるけど、常勝を求められるチームがもう4年も優勝から遠ざかっている。来年も逃して5年連続V逸となると球団ワースト記録。なりふり構わぬ補強をすべき時だと思う。

 今年は岡本が4番に定着。吉川尚、田中俊も成長している。投手陣も育成から支配下登録されて5勝を挙げたメルセデス、1年目で3勝したヤングマンに先発で使えるメドが立っている。

 ビヤヌエバは20本塁打の一方で、打率は・236。少し苦労するかもしれないけど、まだ27歳。日本で育って右のクロマティになる可能性もあるんじゃないかな。

 指揮を執るのは過去12年間チームを7度のリーグ優勝、3度の日本一に導いた原監督だ。3度目の登板。積極的な補強策に強い覚悟がにじんでいる。

 さあ丸はどんな選択をするか。広島残留か、ロッテか、それとも巨人の背番号8か。悔いのない決断をしてほしい。 (スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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2018年11月27日のニュース