157キロ右腕大船渡・佐々木にメジャー4球団熱視線 11月練習試合を異例視察

[ 2018年11月18日 05:30 ]

練習試合   大船渡3―2国学院栃木 ( 2018年11月17日    国学院栃木G )

<国学院栃木・大船渡>6回1失点の好投を見せた大船渡・佐々木(撮影・篠原岳夫)
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 来秋のドラフト1位候補に挙がる大船渡(岩手)の157キロ右腕・佐々木朗希投手(2年)が17日、栃木県内で行われた国学院栃木との練習試合に登板。メジャー4球団を含む日米6球団のスカウトが視察する中、6回1失点で最速154キロをマークした。年内はこれが最終登板となる見通し。将来的な目標として、メジャー挑戦への思いを語った。

 異様な光景が、佐々木朗の未知なる力を物語っていた。お目当ての右腕がマウンドへ向かうと、スタンドで待機していたメジャースカウト陣も動きだす。怪腕の姿を目に焼き付けようと、ネット裏の最前列の金網にへばりついて撮影するスカウトもいた。1球ごとにスピードガンをチェックし「チェンジアップか?スライダーか?」と球種も確認した。

 フィリーズ、パイレーツ、オリオールズ、アスレチックス、巨人、西武と日米6球団が目を光らせた。高校の秋の練習試合をメジャースカウトが視察するのは異例だ。テスト期間明けで本格的な練習は13日から。佐々木朗はブルペンで10球程度の投球練習にもかかわらず、初球でいきなり152キロ。「今日はあまり力を入れないで投げた」と言いながら、6回にこの日最速154キロを計測。8奪三振で、打っても4番で2回に右越え三塁打を放った。フィリーズの大慈弥功環太平洋部長は「大谷に匹敵する。向こうで活躍できるポテンシャルは十分に持っている」と絶賛。スカウト陣は降板まで食い入るように見つめた。

 同じ岩手出身の西武・菊池雄星、エンゼルス・大谷翔平の両先輩投手が日本経由でメジャーに移籍した。「まず日本で自信をつけて、いつかそういう気持ちが出てきたら、その時(挑戦を)考えたい」。来春のセンバツこそ絶望的となったが、今冬は股関節や肩甲骨の強化でタフな体づくりを目指す。大谷が花巻東時代の3年時に記録した最速160キロへの期待も大きいが「大船渡のみんなと一緒に甲子園に行きたい」と話した。大事な目標をかなえ、さらに先の大きな夢をつかみに行く。 (松井 いつき)

 ◆佐々木 朗希(ささき・ろうき)2001年(平13)11月3日生まれ、岩手県陸前高田市出身の17歳。小3から野球を始める。東日本大震災の影響で大船渡市に移り住み、大船渡一中軟式野球部でプレー。大船渡進学後は1年夏からベンチ入り。今秋は岩手県大会準決勝で盛岡大付に敗れた。1メートル89、83キロ。右投げ右打ち。

 《岩手出身の剛腕》

 ☆菊池雄星 花巻東3年時の09年にメジャー8球団を含めた20球団と面談し、6球団競合の末に西武入り。15年12月の契約更改で将来的なメジャー移籍希望を伝え、今オフ、ポスティングシステムでのメジャー移籍が容認された。

 ☆大谷翔平 花巻東時代に高校卒業からのメジャー挑戦を表明。しかし、12年のドラフト会議で日本ハムが強行で1位指名し、面談を経て入団した。16年12月の契約更改で球団側が17年オフ以降のメジャー挑戦を容認。プロ5年目を終え17年オフにポスティングシステムでエンゼルスに移籍。今季はア・リーグ新人王に輝いた。

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