上沢&高橋礼の専大松戸コンビ 日米野球で控えめ誓いも鮮烈デビュー

[ 2018年11月14日 09:00 ]

9日の日米野球第1戦の7回1死一塁、アクーニャと対戦する高橋礼(撮影・篠原岳夫)
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 9日に開幕した日米野球。侍ジャパン初選出の2投手が鮮烈なデビューマウンドを飾った。第1戦の7回から2イニングを投げ1安打無失点3奪三振のソフトバンク・高橋礼投手(23)と、第2戦に先発して5回4安打1失点7奪三振の日本ハム・上沢直之投手(24)。2人は専大松戸出で2学年違いという間柄だ。

 「一緒にジャパンでやっているなんて考えられないし、変な感じです。俺らだけ高校のノリが続いているみたいな…」というのは先輩の上沢だ。2人とも千葉県松戸市生まれの松戸育ち。進んだ地元の高校は、甲子園の常連校ではない。上沢の3年夏は千葉大会4回戦敗退。高橋礼は準決勝でサヨナラ負けし、甲子園の土を踏むことができなかった。そんな高校時代から日の丸を背負うまでに成長を遂げ、上沢は「(専大松戸の)持丸監督も喜んでくれていると思います」と感慨深げだった。

 高橋礼も「同じ舞台に立っていることは非常にうれしい」と先輩との共演を喜んでいる。専大松戸1年時、ブルペンで3年生だった上沢の球を受ける機会があった。「真っすぐの威力も、変化球の曲がりも、あの衝撃は今でも覚えています。これがプロに行く人の球なんだって強く思いました」。今でも手に残る感触は、夢を追いかける道しるべになった。高卒でプロ入りした上沢と道は違ったが、専大を経てソフトバンクのドラフト2位でプロの世界に飛び込んだ。

 今回の侍ジャパンはお互いに初招集ということもあり、行動をともにすることも多い。「友達がいないので、あいつがいてよかった」と笑う上沢。食事にも出掛け、「大活躍をしたいわけではない。でも打ち込まれたくはない。ケガなく無事に終わろう」と控えめに誓い合ったという。本人たちの意思に反し?2人には素晴らしいデビュー戦となった。

 ちなみに1メートル87、89キロの上沢に、1メートル 88、84キロの高橋礼。体形だけでなく顔立ちもどことなく似ている。だから事件も起きた。第2戦の試合中に上沢がベンチに座っていると、高橋礼とソフトバンクで同僚のはずの柳田から「礼、グラブ貸して」と間違えられてしまった。そんな仲良しコンビの今大会でのリレーは実現しなかったが、「上沢さんの後を継いで投げるとなれば、特別な思いがある」と高橋礼。侍ジャパンの常連となり「専大松戸リレー」が実現する日が楽しみだ。(記者コラム・町田 利衣)

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