阪神 金本前監督の背番号6来季欠番に 球団幹部「ふさわしい選手が出てくるまで」

[ 2018年11月13日 07:30 ]

阪神の金本前監督
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 阪神は金本知憲前監督(50)が今季まで背負っていた背番号6を来季は空き番号とすることが分かった。球団幹部が「ふさわしい選手が出てくるまでは空き番号にする方針」と明かした。金本前監督を筆頭に偉大な先人たちが背負ってきた猛虎の「6」を一時凍結し、チームの大黒柱と呼べる選手が育った暁に託す構えだ。

 今季まで3年間、金本前監督が背負ってきた阪神の背番号6の重みは、並大抵のものではない。世界記録の1492試合連続フルイニング出場を筆頭に通算2539安打、通算476本塁打…。数々の記録を打ち立て、球史にその名を刻みつけた鉄人が阪神で過ごした現役時代に10年間、監督としても3年間にわたって背負った代名詞だ。

 その「6」も、今や空き番号となった。ただ、だからと言って、簡単に背負わせるものではない。現在、球団は今秋ドラフトで指名した新入団予定選手の仮契約を進めており、背番号も内々には決まっているもよう。だが現状、新入団予定選手に「6」を背負わせる考えはない。球団幹部は言葉に力を込めた。

 「6番については、金本前監督を始め、偉大な先人たちが背負ってきた番号で、重みのある背番号だと考えています。だから、その番号にふさわしい選手が出てくるまでは空き番号にする方針です」

 今では金本前監督のイメージが強いが、歴代そうそうたる選手たちが背負ってきた番号だ。初代「6」は「闘将」の異名を取った景浦将。その後も投手、野手として活躍し、野球殿堂入りも果たした田宮謙次郎、通算320勝でこちらも野球殿堂入りの小山正明らが系譜をつないだ。66年からは通算2064安打の藤田平が19年間にわたって背負い、それを元監督で現テクニカルアドバイザーの和田豊が17年間、守り続けた。阪神では、藤村富美男の「10」、村山実の「11」、吉田義男の「23」が永久欠番となっているが、「6」はそれに匹敵する栄えある番号と言える。

 球団は現時点で背番号6を、来季は空き番号とする方針を固めている。さらに来季以降も軽々しく与えるつもりは毛頭ない。「6」を背負う条件はチームの大黒柱と呼べる選手だ。「阪神の顔」になれる選手にこそ、ふさわしい番号。そんな選手が現れるまで、基本的には凍結する方針を固めている。理想は生え抜きのスターに――。“準永久欠番”とも言える扱いにし、ふさわしい選手の出現を待つ構えだ。

 《背番号「6」》金本前監督の背番号「6」は現役引退の12年以降、監督就任の16年まで3年間空き番号。過去の阪神で6番不在は背番号廃止の44年と戦争で中断した45年を除けば、初代6番の景浦将が応召した40〜42年だけ。“金本以降”が実質初めての後継者なしの状態だ。

 《吉田義男の「23」》阪神の永久欠番の一つ、吉田義男の「23」は現役引退の69年、後継にふさわしい選手が現れるまでの準欠番扱い。結局使用されないまま2度目の監督を退任した87年10月に永久欠番になった。近年の阪神で長期間後継者がいなかったのは今季新人の島田が使用した「53」。俊足の赤星憲広が引退した09年以降は、14年途中加入の投手・建山義紀が1年間使用しただけだった。

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