三菱重工名古屋、悲願初V 大会最多7度目 延長13回死闘制した

[ 2018年11月13日 05:30 ]

スポニチ後援第44回社会人野球日本選手権最終日・決勝   三菱重工名古屋2―1JFE西日本 ( 2018年11月12日    京セラD )

<JFE西日本・三菱重工名古屋>優勝を決めマウンドで喜ぶ三菱重工名古屋ナイン(撮影・後藤 正志)
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 三菱重工名古屋が、JFE西日本との激戦の決勝を制し、悲願の初優勝を果たした。大会最多となった7度目の延長戦。1―1の13回に山田敬介外野手(29)の内野安打で決勝点を奪った。中日からドラフト3位で指名された勝野昌慶投手(21)が連投で好救援し、最高殊勲選手賞に輝いた。JFE西日本は13大会ぶりの優勝を逃した。

 最後も山田敬だ。延長13回2死一塁で、中飛をつかむと両手を突き上げた。三塁側ベンチからはフライング気味に、ナインがマウンドへ駆けだした。

 「ヒーローになってやろうと思った。最高のメンバーと優勝できて、最高の一年になりました」

 最高の舞台で、最高の輝きを見せた。1―1の13回2死一、三塁では、三遊間を襲うゴロを放った。遊撃手が追いつき、素早く二塁へ送球も判定はセーフ。打った山田敬も一塁へヘッドスライディング。これが決勝内野安打となった。

 執念の一打だけではない。執念のキャッチもあった。右翼を守っていた8回2死満塁では、頭上を抜けそうな飛球を倒れ込みながらつかんだ。「最少失点で切り抜けようと思ったのがファインプレーにつながった」。自らのバットで勝ち越した直後の中堅守備でも、ダイビングキャッチの美技を見せた。

 創部65年目、チームは9度目の出場で10大会ぶりとなる2度目の決勝進出。都市対抗を含めた2大大会で初の頂点に立った佐伯功監督は「我慢強さが勝敗につながると、うちの選手は分かっている。おまえたち凄いぞ」と絶叫した。4時間16分の激闘を戦い抜いた山田敬も叫んだ。「ヒーローじゃあー」――。最高の笑みも一緒にこぼれた。(田中 貴久)

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