阪神・梅野 初のGG賞に喜び「絶対に獲りたいと思っていた」

[ 2018年11月9日 05:30 ]

ファンの声援に手を上げて応える梅野 (撮影・奥 調)
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 阪神・梅野隆太郎捕手(27)が8日に発表された「三井ゴールデン・グラブ賞」でセ・リーグ捕手部門で初選出された。球団捕手では2010年城島健司以来で、生え抜き捕手に限れば1985年の木戸克彦以来、実に33年ぶり。“守備のベストナイン”とも言われるだけに、守りの要である捕手として、これ以上ない賞を手にし、素直な喜びと感謝を口にした。

 「いつか絶対に獲りたいと思っていた賞ではある。自分的には前半、あまり良くない中でも最後まで使ってもらったからこそ、こういう賞につながったと思う。使ってもらった監督に感謝したい」

 正捕手が固定されないまま迎えた今季は、攻守ともに存在感を示し続けた。当時の金本監督から指導を受けた打撃の成長は著しく、いずれもキャリアハイとなる100安打、8本塁打、47打点を記録。「打てる捕手」として力を発揮すると同時に、盗塁阻止率は巨人・小林に次ぐリーグ2位の・320。持ち味である強肩もフルに発揮した。

 ただ、梅野自身が誇ったのは、先の2つではなかった。

 「(投球を)止めることじゃないですかね。捕手は目に見えないコミュニケーションだったり、数字に表れないワンバウンド、それ以外の悪球の処理だったり、その辺も大事になってくる。そういうところはシーズンを通して評価してもらったかなと思います」

 ストライクゾーンから大きく外れたボールにも反応し、進塁を許さなかった姿は記憶に深い。また、多様な投手とコミュニケーションを密に取り「“こうした方が良いんじゃない?”という問いかけはしてきたつもり」と、経験の薄い投手は特に、引っ張った。

 それでも、手放しで喜べないのはチームが最下位に終わったからだ。「チームとしてなかなか上に行けなかったことを踏まえると悔しいシーズン。捕手は、勝たないといけない責任がある」。負けた事実から目を背けることはできない。矢野監督も「今回で(梅野)リュウ自身も満足はしていないと思うけど、そういう風にとらえていってくれたらすごく自信になる賞」と評価した。

 「今の争い(という状況)をしっかり受け止めて。これだけ出させてもらったので、無駄にならないように来年、勝ちたい」

 正捕手争いに勝ち、試合でも勝つ――。その先には73、74年の田淵以来となる球団捕手2年連続の受賞も見えてくる。(巻木 周平)

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2018年11月9日のニュース