中日ドラ1根尾 ショートで高卒開幕スタメン名乗り 実現なら88年立浪以来30年ぶり

[ 2018年11月5日 05:30 ]

中日との仮契約を結び、バットに「継続は力なり」と書き込んだ根尾(撮影・後藤 正志)
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 中日からドラフト1位指名された大阪桐蔭・根尾昂内野手(18)が4日、名古屋市内で入団交渉に臨み、契約金1億円プラス出来高5000万円、年俸1500万円の最高条件で合意した。12球団一番乗りで仮契約を結んだ二刀流だが、プロの世界では最速150キロを誇る強肩と、高校通算32本塁打をマークした打撃を武器に、「ショート」として1988年立浪和義以来の高卒開幕スタメンを目指す。

 約1時間30分の交渉を終えた根尾は会見場に姿を現すと、約100人の報道陣の前で二刀流との決別を宣言した。

 「ポジションのことでショート一本でいかせてくださいとお伝えしました。高校1年、2年の時に決めていた。ショートというか内野でいきたいとずっと思っていました」

 投打に優れたセンスを持ち、大阪桐蔭の甲子園春夏連覇に貢献。その起用法に注目が集まったが、プロの世界では野手一本で勝負する。150キロを投げる才能を持ちながら、投手への未練を「ないです」と断言した。

 「ショートは全てのプレーに関わるチームの顔。一番の花形のポジションですし、勝つためには一番固まるべきところ」

 ドラフトで4球団が競合した逸材でも、簡単に手に入るポジションでないことは分かっている。遊撃手には昨季新人王に輝いた京田という強力なライバルがいるが、ひるむつもりはみじんもない。

 「弱い者、技術のない者、結果が出ない者は排除されていく世界。先輩でもありますし競争相手でもある。自分が負けたくない気持ちを前面に出したい」

 「遊撃手・根尾」としての売りは「肩。一番自信がある」とアピールした。開幕スタメンを狙うかと問われると「それはあります」と目をぎらつかせた。

 入団交渉に同席した米村明チーフアマスカウトは、野手として指名したことを明かし「(京田と)戦う意思を感じた。1年目から突き抜けた選手になってほしい」と話した。

 趣味は読書。渋沢栄一の著書「論語と算盤(そろばん)」などを愛読する。名古屋市内の書店では、根尾の愛読書コーナーが特設される。「今、注目していただいているのは自分に良いプレッシャーになると思う。負けないようにはねのけられるようにやっていきたい」。ドラゴンズに「NEOヒーロー」が誕生しそうだ。 (徳原 麗奈)

 《中日遊撃黄金ルーキー》

 ☆88年立浪和義 PL学園から南海と2球団競合で入団。前年ベストナインを獲得した宇野勝を二塁にコンバートし、開幕戦から「2番・遊撃」の定位置をつかむなど110試合に出場。22盗塁、21犠打でリーグVに貢献し、日本シリーズも全試合先発出場。新人王にも輝いた。

 ☆99年福留孝介 日本生命から逆指名で入団し、星野仙一監督が積極的に起用。出場132試合のうち、77試合(スタメンは75試合)で遊撃の守備に就いた。打率・284、16本塁打の活躍でリーグ優勝を支えたが失策が目立ち、00年シーズン後半から三塁手に転向した。

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