【中畑清 キヨシスタイル】広島&ソフトB 両投手陣に驚がく、こんなにレベル高いとは…

[ 2018年10月30日 09:00 ]

第2戦で8、9回を無失点に抑えるフランスア(撮影・篠原岳夫)
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 恐れ入りました。今年の日本シリーズは「打高投低」の打撃戦になると思っていたら、とんでもなかった。両チームとも投手が凄くいいんだ。第2戦まで完全に投手力が上回っている。

 特に広島。パのCSファイナルS5試合で44得点を奪い、強打の西武を破って勢いに乗るソフトバンク打線を第2戦まで21イニングを3点に封じ込めている。

 先発の大瀬良、ジョンソンもいいけど、リリーフ陣が凄い。延長12回の末に2―2で引き分けた第1戦。5―1で快勝した第2戦。リリーフ陣は計9イニングを無失点だよ。こんなにレベルが高いとは思ってなかった。

 中でも第1戦の2イニングに続いて第2戦も1イニング投げた左腕フランスア。疲れを見せるどころか、連投でMAX157キロをマークするんだもんね。今後もその使いどころがキーポイントになるんじゃないかな。

 広島の投手陣はソフトバンクの主砲、柳田に対する攻め、配球も徹底している。第1戦で十分に内角を意識させ、第2戦の第1打席は外角中心。そして4回1死一、三塁の場面ではまた内角を攻めた。最後は内角低めのツーシームで空振り三振。ここまで6打数1安打3四死球と眠らせている。捕手が内角に構え、投手がしっかりそこへ投げ切る。バッテリー間の信頼関係を感じるね。

 ヤクルトとオリックスが戦った1995年の日本シリーズを思い出す。ヤクルトはこの年首位打者、打点王に輝いたイチローを徹底したインハイ攻めで19打数5安打2打点、打率・263に封じ込め、4勝1敗でシリーズを制した。

 広島の1勝1分け。千賀、バンデンハークで勝てなかったソフトバンクは厳しい状況に追い込まれたけど、第3戦から本拠地ヤフオクドーム。完全アウェーのマツダスタジアムとは雰囲気が全然違うし、DHが使える。守備のリスク覚悟でデスパイネをレフトに入れた第2戦のような無理をする必要もない。

 柳田がカープ投手陣の包囲網を打ち破って流れを変えられるか。せっかく第1戦を引き分けたんだから、これまで1度しかない第8戦を見たい気がするね。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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2018年10月30日のニュース