日本ハム・斎藤佑 プロ9年目へ「大きなフォームで」復活必ず

[ 2018年10月27日 10:00 ]

千葉・鎌ケ谷の2軍施設で来シーズンへの思いを語った斎藤
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 プロ8年目のシーズンを未勝利で終えた日本ハム・斎藤佑樹投手(30)が自主練習を行っている千葉・鎌ケ谷の2軍施設でスポニチ本紙のインタビューに応じた。11年の入団から2年間で11勝をマークも、その後は不振やコンディション不良もあって低迷。胸の内に秘める思い、ファンへの感謝などを激白した。 (構成=山田 忠範)

 ――まずは3試合で0勝1敗、防御率7・27だった今季を振り返って。

 「1軍で最初の登板でつまずいてしまい※1、それを引きずってしまった。その後は早く1軍に戻りたいと焦って夏場に腰痛。全てがうまくいかなかった感じがします」

 ――腰痛が治ってからは2軍で中継ぎで存在を示し、終盤に1軍昇格。10月2日の西武戦では8回に登板して1回無失点に抑えた。

 「最後はどんなポジションでもいいので1軍で貢献したかった。でも、自分が1軍に上がった時は順位もほぼ決まった状況。前半に比べれば納得いくボールも多かったけど、1年を通して安定したピッチングをしないとチームに貢献できない」

 ――11年の入団から2年間で11勝も、ここ6年間で計4勝。24日にはシーズンが終わってから初のブルペン投球も行った。

 「今年こそ、今年こそ、と思ってやっているのに成績を残せない。だったら同じことをやっていては駄目。ここ何年か制球を意識しすぎてフォームがこぢんまりとしているので、大きいフォームで強いボールを投げることを練習でも意識している。球速というよりも球質を上げたい。2年前から上半身も下半身も柔軟性を高めるトレーニングをしているので、それも継続しながら大きく、しなやかなフォームを見つけたい」

 ――精力的にランニングも行っている。

 「去年のこの時期はウエートを重点的にやっていたけど、今年はとにかく走りまくる。例年は走っていないPP(左右のポール間走)も毎日8から10本は走っています。この時期に土台をつくり、しっかりと勝負できる体で来年2月1日のキャンプインを迎えたい」

 ――結果が出ない6年間で自身の支えは?

 「活躍できなくなってからでも、ずっと変わらずに応援してくれているファンの方々です。昔は1日で読み切れない量の手紙を頂いていたけど、今でも1日に2、3通は頂ける。それが、どれだけ心の支えになっているか…。感謝というレベルではないです。心が折れそうになることばかりだけど、支えてもらっています」

 ――鎌ケ谷でも常に笑顔でファンに接している印象がある。

 「自分には信念がある。それは“野球を楽しむ”ということ。どんなに結果が出なくて悩んでいても、グラウンドでは前向きにやる。小さい頃からプロ野球を夢見て、そこにたどり着いた。だからユニホームを着させてもらっている限りは喜びや感謝を忘れないように、と思っている。苦しそうに野球をやることだけはしたくないし、そんな姿をファンに見せたくない。できるだけ笑顔で接したいとも思う。甲子園で優勝した時※2も、大学時代も、今もスタンスは変わりません」

 ――25日にはドラフト会議が行われ、自身と同様に甲子園でブレークした金足農の吉田らフレッシュな面々が入団する。高校時代のような活躍を願うファンも多い。

 「あっという間に(プロで)8年が過ぎて30歳になった。とにかく応援してくれるファンがいる限り、恩返ししなければいけない。もう、結果を残すしかないと思ってます」

 ※1 東京ドームで行われた4月7日のロッテ戦で今季初登板。3回までに打線から6点の援護を受けながら8四死球の大乱調で3回2/3を1失点で降板。翌8日に出場選手登録を抹消された。

 ※2 早実のエースとして出場した06年夏の甲子園で8月21日に田中(現ヤンキース)を擁する駒大苫小牧との決勝引き分け再試合を制して全国制覇。「ハンカチ王子」としてブレークし、早大でもフィーバーは続いた。

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