西武 雄星のメジャー挑戦容認発表 代理人は超大物ボラス氏有力

[ 2018年10月22日 05:33 ]

パ・リーグCSファイナルS第5戦   西武5―6ソフトバンク ( 2018年10月21日    メットライフD )

<西・ソ>試合前、ブルペンで投球練習をする菊池(撮影・木村 揚輔)
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 西武は21日、菊池雄星投手(27)がポスティングシステムを利用して、今オフに大リーグに挑戦することを容認すると発表した。居郷肇球団社長(62)が明かした。今後、本人から希望を聞いた上で最終的に決定する。チームはCSファイナルステージ第5戦でソフトバンクに敗戦。リーグ優勝した1勝のアドバンテージを含めて2勝4敗で、10年ぶりの日本シリーズ進出はならなかった。

 悔しい敗退直後。菊池はポスティングシステムでの大リーグ挑戦について「今は終わったばかり。今すぐ今後を考える気持ちにはなれない。ゆっくり家族と時間を過ごして、そこから考えたい」と語った。高校時代から思い描いていた夢。居郷球団社長も試合後に「彼の夢なので球団としても快く応援してあげたい」と明言し、バックアップを約束した。

 菊池は花巻東時代から米球界に憧れ、3年時にはメジャー8球団を含めた20球団と面談。その上で日本のプロ野球入りを決断した。西武では15年12月の契約更改交渉で初めて将来的なメジャー移籍の希望を伝え、16年にも挑戦を訴えた。同年から3年連続2桁勝利。今季は14勝を挙げ、チームは10年ぶりのリーグ優勝を果たした。球団側も貢献度を高く評価しており、今回の容認につながった。

 今季も菊池の登板試合ではドジャース、パドレス、フィリーズなどメジャー数球団のスカウトが視察。日本球界を代表する左腕だけに、争奪戦となるのは必至だ。菊池自身も代理人選びを本格化させていくもようで、かつて松坂(現中日)が西武からレッドソックスに移籍した際に契約した大物代理人のスコット・ボラス氏が有力な候補となっている。

 「9年間を振り返るといろんなことがあった。そういうことを振り返りながらロッカー整理をしていた。指導者やチームメートに恵まれてここまでやってこられた。感謝しかない」。帰り際、菊池は別れを予感したかのようにそう話した。第1戦で5回6失点。左手中指の血マメは完治せず、3勝3敗になっても第6戦の先発は回避する予定だった。「投げたかった。悔しいし情けない」。次の夢は、海の向こうの新天地で追うことになる。

 ▽ポスティングシステム 日本の所属球団は11月1日から12月5日までの間に大リーグ側に申請し、米30球団に通知された翌日から30日間、獲得を希望する全球団と交渉できる。上限2000万ドル(約22億6000万円)だった譲渡金は、今年から変動制に。契約金、年俸、バイアウト(契約解除)額の総額の2500万ドル(約28億2500万円)までの部分に20%、2500万ドルから5000万ドル(約56億5000万円)までの部分に17・5%、5000万ドルを超えた部分に15%をかけた額を足して譲渡金を算出する。

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