意外…巨人・岡本、技術が生んだ4年目の初犠飛

[ 2018年10月15日 14:30 ]

13日のヤクルト戦の1回1死二、三塁、先制の右犠飛を放つ巨人・岡本
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 意外な記録だろう。史上最年少22歳でのシーズン100打点を達成した巨人・岡本だが、犠飛はなかった。4年目でのプロ初犠飛は13日、ヤクルトとのCSファーストS第1戦でマークした。

 「何とかバットに当てようと思って、うまく飛んでくれた」。初回1死二、三塁。初出場したCSの第1打席だ。チームが16年から8連敗中だった小川の、143キロカットボールを右翼に流した。先制の右犠飛。高橋監督も試合後、報道陣から初犠飛と聞き「え、そうなの」と驚いた。

 他の選手と比較してみたい。今季のセ・リーグ打点王のバレンティンは、131打点で3犠飛。パ・リーグトップの浅村は、127打点で5犠飛だった。以外とその個数は少ない。今季のセ・リーグトップは福留(阪神)の7個だった。

 犠飛のシーズン記録は1970年の大杉勝男(東映)で15個。48年もの間、その記録は破られていない。2位は今季記録を更新した中田翔(日本ハム)の13個。3位は75年佐々木恭介(近鉄)、91年原辰徳(巨人)、95年江藤智(広島)、96年ローズ(近鉄)が12個で並ぶ。

 「犠飛は簡単ではない」と言うのが巨人・吉村打撃総合コーチ。現役時代4番打者だった同氏は、17年間で通算35犠飛。シーズン最多は6個だった。走者が三塁にいるケースで「簡単に引っ張ることができるボールは来ない。外に逃げていく球を、中堅から反対方向に打つ意識が必要」と説明する。技術がないと犠飛は打てない。

 岡本も、自身から逃げていくカットボールにバットを合わせて右翼に運んだ。強引さを消して打った「技術の初犠飛」だった。(記者コラム・神田 佑)

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