野球版スクールウォーズだ―大阪偕星 初の近畿大会へ―

[ 2018年10月15日 14:33 ]

秋季大阪大会3位決定戦   大阪偕星学園3―2大商大堺 ( 2018年10月14日 )

<大阪偕星学園・大商大堺>9回裏2死、サヨナラ安打を放ち投打の活躍を見せた偕星・坪井(撮影・後藤 正志)
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 大阪偕星学園が3位決定戦で大商大堺にサヨナラ勝ちを収め、初の秋季近畿大会(20日開幕・ほっともっとフィールド神戸)出場を決めた。2―2同点の9回2死一、二塁から4番・坪井悠太投手(2年)が左越えへサヨナラ打。ホームベース付近で歓喜の輪が広がった。

 坪井は「どんな形でもいいから走者を還そうと思いました。サヨナラ打は初めてです。最高です」と声が弾んだ。背番号は18だが、本業の投球でも貫禄を示した。準決勝に続く先発。最速145キロの直球を軸にスライダーとナックルを操る本格派は、被安打3の7奪三振で2失点にまとめた。右肩、両太もも、股関節は筋肉痛だったというが、力の限り腕を振った。

 春夏通じて甲子園大会初出場を決めた15年夏は、戦国大阪を常識外れの猛練習で制した。冬場は学校のある大阪市生野区から富田林市内の練習場までひたすら走る。片道18キロ。もちろん、1日36キロの走り込みだけで終わらない。強化合宿中には1日12時間以上、日付をまたいで練習することもあった。理由は簡単だ。「いい選手はみんな大阪桐蔭や履正社に流れますから」とは山本監督。学校近くの寮で部員と寝食をともにし、鍛えに鍛え上げてきた。

 監督就任は2011年1月。当時は「まるでスクールウォーズのようでした」。ラグビーを通じて不良生徒が更生する人気ドラマを引き合いに出したほど、やんちゃな部員が多かったという。信条は「どんなにやんちゃな子供も不良少年もみんな自分の子供。教え子は全員家族」――。初の近畿大会出場で狙うは来春の選抜切符の獲得だ。

 投打二刀流の坪井は「打つ方も投げる方もどっちも目立ちたい」と言葉に力を込めた。「近畿大会では最低でも二つは勝ちたい」と山本監督。熱血指揮官に束ねられた部員が胸を張って近畿大会へ乗り込む。

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