ロッテ FA広島・丸獲得調査 4年20億円用意、球団初の黒字見通しが“追い風”に

[ 2018年10月13日 05:30 ]

広島の丸
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 ロッテが今季、国内フリーエージェント(FA)権の取得条件を満たした広島・丸佳浩外野手(29)の獲得調査を進めていることが12日、分かった。長打力不足が深刻なチームにとって、地元・千葉県出身の大砲は最大の補強ポイントと合致する。今季は創設50年目で初の球団経営が黒字となる見通し。4年20億円規模の資金を投入できる態勢を整えていく。

 来季への課題は明白だ。井口監督就任1年目は1試合を残し、5位が確定している。他球団との力の差を一番感じたのは長打力だった。井上は24本塁打と気を吐いたが、2桁本塁打は一人のみ。12球団ワーストの78本塁打では、打ち勝つことは到底不可能だ。

 指揮官は「来季への課題ははっきりしたし、球団は(資金を)出してくれると思います」と2年目へ向けたオフの大型補強を示唆するが、その目玉の一つが丸だった。

 今季は打率・306、39本塁打、97打点と広島のリーグ3連覇に貢献。ゴールデングラブ賞5度など攻守の両面で軸になり得る。ZOZOマリンは右翼方向へ吹く「浜風」で左打者が有利。来季は最大で外野フェンスを4メートルせり出してホームランラグーンが設置され、本塁打量産も期待できる。

 ゆかりも大きい。丸は千葉県勝浦市出身。千葉経大付では06年夏、07年春の甲子園に出場した。球団は地域密着を掲げており、地元出身では今季、福浦が92年の移転後初となる生え抜きの通算2000安打を達成。13年オフには松戸市出身の涌井を西武からFAで獲得している。

 丸の今季年俸は2億1000万円。一番の不安となる資金面もクリアできそうだ。今季はここまでの観客動員数が、過去最高の164万人を超えており、球団経営は創設50年目で初めて黒字となる見通しとなった。争奪戦になった場合でも、広島や他球団とも十分に戦える4年20億円規模の資金を用意できる。今後は丸本人の動向を注視しつつ、参戦の準備を進めていく。

 ◆丸 佳浩(まる・よしひろ)1989年(平元)4月11日生まれ、千葉県勝浦市出身の29歳。千葉経大付2年夏、3年春はエースとして甲子園出場。07年高校生ドラフト3巡目で広島へ入団した。13年に盗塁王、17年には最多安打でリーグMVPにも輝いた。ベストナイン3度(14、16、17年)、ゴールデングラブ賞5度。1メートル77、90キロ。右投げ左打ち。

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2018年10月13日のニュース