西武10年ぶりVの陰で聞いた残念なニュース

[ 2018年10月1日 14:40 ]

<日・西>リーグ優勝を決め、スタンドのファンにあいさつする西武ナイン(撮影・高橋茂夫)
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 西武が実に10年ぶりのリーグ優勝。ファンは歓喜に浸っていると思うが、そんな時に残念なニュースを聞いた。「ライオンズナイター」でおなじみのラジオ局・文化放送が、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージの西武戦を中継しない、というのだ。

 編成上の問題など、さまざまな理由があるのだとは思う。82年に放送を開始し、今年が37周年。「はっきりいってライオンズびいきです!」などのキャッチコピーで、黄金時代も低迷した時代も西武一筋で中継してきた。そして10年ぶりのV。CSファイナルステージは当然、本拠メットライフドームで行われるが、この試合をオンエアしないと聞いて驚いた。中継がないと聞いた西武・渡辺久信シニアディレクターも、非常にガッカリしていたという。

 自分も優勝を控えた西武の取材現場に足を運んでいたが、文化放送の関係者は本当に熱心に取材をしていた。連日の辻監督のインタビューに、リポート用の取材、選手の写真を撮ってSNSに何枚も掲載…。球団や選手への愛情が見ているこちらにも伝わり、盛り上げようと必死な姿を日々目にしていた。

 インターネット時代になり、新聞業界と同様にラジオ業界も厳しい環境に置かれていると聞く。それでもスマホアプリ「radiko(ラジコ)」の登場で全国のラジオ曲の放送がエリアフリー、タイムフリーで聴くことができるようになり、新たなファン層を獲得している。そもそも40代後半の記者自身がラジオ世代だ。受験勉強の傍らで深夜放送を聴き、窓際にラジカセを置いてFM放送をエアチェック。メタルだ、クロームだといったテープに必死に録音していたのが思い出だ。

 かつてテレビが登場した時も、ラジオはピンチだった。そんな時、英ロックバンド・クイーンのフレディ・マーキュリーは名曲「Radio Ga Ga」(84年)で、ラジオへの愛を高らかに歌い上げた。

 「Radio,someone still loves you」(ラジオ、誰かがまだまだ君を愛しているよ)。

 CSファイナルSの開幕まではまだ2週間以上ある。優勝の喜びに浸るファンも、ぜひライオンズナイターと一緒にCSを戦いたいに違いない。そんな「Someone」の声が届けばいいな、と思う。(記者コラム)

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2018年10月1日のニュース