【西武・浅村栄斗手記】キャプテンをやってよかった…優勝して初めて思えた

[ 2018年10月1日 10:30 ]

パ・リーグ   西武1―4日本ハム ( 2018年9月30日    札幌D )

<日・西>8回1死、右前打を放ち笑顔の浅村(撮影・木村 揚輔)
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 ホッとした。これが優勝なのかって。一年間、やってきて本当によかった。優勝できなかったら、やっぱり普通の選手よりも“キャプテンが…”って言われると思っていた。一番は優勝するため、と考えてずっとやってきた。

 誰が頑張ったとか良かったとかは関係ない。全員で一つの勝ちに向かって、ずっと同じ気持ちで戦えた。それが優勝につながった。本当にみんなのおかげだと思う。去年の後半、若い選手がたくさん出てきて、今までにないライオンズだと感じていた。このまま来年やれば楽しみだなって。その中で僕を含めて中堅が、若い選手に負けないようにと挑んだ。そういうものがかみ合って、強くなれたんじゃないか。

 個人的には、ずっと目標にしていた3割、30本、100打点を初めて達成できそうなところにいる。今年は何が何でもその目標を達成して、優勝できればと思っていた。13年の打点王の時は、ほぼ一塁で出ていた。プロでずっとファーストをやりたい、なんて一つも思っていなかった。いずれ二遊間でクリーンアップを打って、同じくらいの成績を残したいって考えていた。だからセカンドでこの成績が出せているのは、何倍もうれしい。

 優勝できて初めて、キャプテンをやってよかったと思えた。正直今でも嫌だけど。人前でミーティングをやったりとか、そういうのも大っ嫌い。いろんなことを考えてやることは、本当に嫌だった。僕は男3人兄弟の一番下。ずっと自分のペースでやってきたし、絶対に今でも崩したくない。誰にどうこう言われても、別にって感じ。だからキャプテンなんて本当にありえなかった。

 16年の秋にキャプテンになった時、栗山さんに「自分を変える必要はない。今まで通りやっていればいい」と言ってもらった。一度やってみようかって思えた。大きな言葉だった。いろいろと勉強できている部分がある。キャプテンとしてはやることはいっぱいあるし、完璧にはできていない。今後に生かしてもっといいキャプテンになりたいと今は思っている。

 家族も喜んでくれると思う。親父は子供の時はマジで怖くて、近所でも一番怖いってくらい厳しかった。でも、今は大阪では、たまに実家に帰ってご飯も食べるし、普通にラインで「元気か?」と送ってくる。野球が好きで、昔は野球の話をしたら止まらなかったけど、今はさすがに野球の話はしなくなったかな。プロに入って「頑張っているな」とあまり言われたことはなかったけど、久しぶりに褒めてくれるんじゃないか。

 目の前で胴上げを見ることも多かった。そのたびに優勝したいとの気持ちが強くなった。やっと体験することができた。優勝争いは本当に楽しかった。全然緊張感が違うし、ああ、野球やっているなって感じることができた。CSを突破しないと意味がない。勝って日本シリーズも戦いたい。まだまだ。喜ぶのは今日までにして、次のことを考え、どんどんやっていきます!(埼玉西武ライオンズ内野手)

 ◆浅村 栄斗(あさむら・ひでと)1990年(平2)11月12日生まれ、大阪市出身の27歳。大阪桐蔭では1年秋からベンチ入り。3年夏の甲子園は1番・遊撃で出場し、29打数16安打2本塁打の活躍で全国制覇に貢献した。高校通算22本塁打。08年ドラフト3位で西武入り。17年にプロ通算100本塁打と1000安打を記録。1メートル82、90キロ。右投げ右打ち。

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