ソフトバンク 逆転V諦めない 中村晃 8回満塁で天敵宮西から勝ち越し打

[ 2018年9月21日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク9―7日本ハム ( 2018年9月20日    札幌D )

8回2死満塁、勝ち越しの適時打を放つ中村晃(撮影・高橋茂夫)
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 ソフトバンクは20日、日本ハムを9―7で下して3連勝を飾り、首位・西武とのゲーム差を6に縮めた。シーソーゲームの展開となったが、7―7の8回2死満塁から中村晃外野手(28)が勝ち越しの左前適時打を放った。チームは最大4点差を逆転するなど、最後まで諦めない全員野球を見せた。

 どんな場面でも、ルーティンは変わらない。中村晃は、いつも通りにスパイクでバットの先端をコン、コンと7回叩いてから打席に入った。

 7―7の8回2死満塁。2球で追い込まれたが、そこから粘る。迎えた7球目、左腕・宮西が投じた7球目の140キロ直球を捉え三遊間を破る決勝タイムリー。「みんながつくってくれたチャンス。何とか打って走者を還したかった。真っすぐもスライダーも両方に対応できる意識だった」と胸を張った。

 15年途中から、15打席連続でノーヒットに抑えられていた天敵。今季も5打数無安打に封じられていた。2球目までは外角ギリギリの直球にバットは出せず「宮西さんはめちゃめちゃコントロールがいい。あそこにもう一球きたらしようがないという気持ちだった」と開き直って決勝打が生まれた。今季は満塁機で5打数3安打、打率・600と勝負強さを発揮している。

 シーズン終盤で柳田に続き、今宮も故障で離脱する苦境の中、初回に4点を失う展開だった。6回に5連打を含む打者10人攻撃で5点を奪い逆転。直後に追いつかれても8回に突き放した。中村晃は「今いるメンバーでいいゲームができているのは大きい。チーム全員で勝てた試合」と喜んだ。

 工藤監督は勝ち越し打の場面を振り返り「(中村晃は)粘って粘ってね。一本出すのは至難の業。集中力を切らさずによく打ってくれた」と称えた。15日からの西武3連戦はまさかの3連敗で優勝マジック点灯を許した。そこから巻き返し、3連勝で首位・西武とは6ゲーム差とした。残り16試合。逆転優勝へ向け、中村晃は「もう負けられない。全部勝つつもりで戦っている。いつも通りの準備をして、いつも通りに戦うことが大事」と引き締めた。(川島 毅洋)

 ≪2日連続で白星 石川好救援13勝≫7回から4番手で登板した石川が1回1安打無失点で13勝目を挙げた。2死から四球と安打で一、三塁のピンチを招いたが横尾を空振り三振に仕留めた。アウトはすべて三振で奪い、2日連続の救援での勝利。リーグトップの西武・多和田と2勝差に近づき「野手の方からも“投げたら点が入りそう”と言ってもらえるのでうれしい」と話した。

 ≪森ピシャリ30S≫森が9回を締め、節目の30セーブ目をマークした。3番・近藤から空振り三振を奪うなど、11球で3者凡退に抑え「0で帰ってこられたのはプラス。30セーブは気にしていない」と振り返った。今季の日本ハム戦はサヨナラ負けを喫するなど、ここまで防御率9点台と苦杯をなめてきたが「相手がどこでも一緒。やられたらやり返す」と力強かった。

 ≪上林5位タイ 13本目三塁打≫上林が2安打2打点をマークした。4回1死一塁からは左中間を破り、14年の日本ハム・西川以来となるシーズン13本目の三塁打。プロ野球歴代5位タイの一打は適時打となり「(一塁走者の)晃さんが一生懸命走ってくれたおかげ」と感謝した。6回にも右翼フェンス直撃の適時二塁打を放ち「つなげられて良かった」と振り返った。

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