阪神 “台湾の大王”王柏融獲り本腰か 編成担当者派遣していた

[ 2018年9月19日 07:31 ]

台湾代表の王柏融
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 阪神が9月中旬に台湾のCPBL(中華職業棒球大連盟)視察のために編成担当者を派遣していたことが18日、分かった。

 5月に続く再度の台湾視察。しかも、シーズンが終盤を迎えた時期だけに、球団幹部は「調査ということです」と話すにとどめたが、お目当ては一つしかない。「台湾の大王」と称され、獲得調査を続けている王柏融(ワン・ボーロン)外野手(25=ラミゴ)の最終チェックだ。

 王柏融はCPBLで16、17年に2年連続で打率・400以上をマークし、その2年間で通算60本塁打(29本、31本)を量産した長打力も持ち合わせる。17年には同リーグ2人目となる3冠王も獲得し、自他ともに認める台湾球界No・1打者だ。

 その実力は国際舞台でも証明済み。17年2月にはCPBL代表として、WBCに出場する日本代表との壮行試合に出場。楽天・則本からバックスクリーンに叩き込む特大の2ランを放つなど、3安打3打点と日本を代表する投手たちを打ち砕いた。NPBに比べてCPBLのレベルは決して高いとは言えないが、王柏融個人の実力は申し分ない。

 阪神も昨年から編成担当者を台湾に派遣して調査を続けてきた。今年も5月に派遣しており、今回でシーズン2度目の視察となった。その事実が、関心の高さを物語る。

 プレーだけでなく、営業面でも「戦力」として期待できる。阪神は近年、台湾からのインバウンド(訪日旅行)客の誘致に力を注いでいる。今年3月には親会社である阪神電鉄が、台湾観光局から「台湾観光貢献賞」を贈られた。16年から甲子園球場の一部ホームゲーム開催時に実施し、ご当地グルメなどを紹介している「台湾デー」が評価されてのものだった。さらにグラウンド内でも昨オフに呂彦青(ル・イェンチン)投手を獲得し、台湾との結びつきを一層強化している真っ最中。そこに「大王」獲得となれば、営業面でも大きな目玉となることは間違いない。

 王柏融は早ければ今オフにも、ポスティングシステムによる海外移籍を視野に入れているという。メジャー挑戦の可能性も残るが、本人は日本行きを希望しているという情報もある。1990年代に郭李建夫が6年間在籍し、近年でも林威助(リン・ウェイツゥ)、蕭一傑(ショウ・イッケツ)、鄭凱文(ジェン・カイウン)らがタテジマに袖を通すなど、かねてより台湾と縁が深い阪神。まだ獲得に動くか否かは最終決定していないが、その前段階として「大王」の真価を見極めると同時に、最新の動向を探ってきたもようだ。

 ◆王柏融(ワン・ボーロン)1993年9月9日生まれ、台湾出身の25歳。中国文化大時代に三塁手から外野手に転向。14年の21UW杯で台湾代表の4番を務め優勝に貢献した。翌15年に台湾・ラミゴ入団。首位打者、最多安打、最高出塁率を各2度、本塁打王と打点王を各1度受賞し、17年台湾人選手でリーグ初の3冠王。現地では「柏融大王」の愛称で呼ばれる。17年11月のアジアCSに台湾代表で来日。外野手のベストナインに選ばれた。1メートル81、90キロ。右投げ左打ち。

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