ロッテ・田村に花開く才能、球団49年ぶり正真正銘の「正捕手」誕生へ

[ 2018年9月8日 10:00 ]

6月16日の巨人戦でお立ち台に立ったボルシンガー(左)と田村
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 49年ぶりの記録は現実味を帯びてきた。ロッテ・田村龍弘捕手(24)は7日現在、118試合にフル出場を続けている。球団では65、66、69年に達成した醍醐猛夫氏(79)のみで実現すれば約半世紀ぶりに誕生する正真正銘の「正捕手」だ。

 15年から昨季まで3年連続100試合以上に出場。最高は17年の132試合だが、それでもスタメンマスクは100試合だった。今季は118試合で先発を外れたのはたった1試合。プロ6年目、内なる変化があった。

 「今年から考え方が変わりましたね。投手をいかに投げやすい環境にもっていくかを一番に置いています」

 今季から就任した清水将海バッテリーコーチから「捕手は一番、重要なポジション。責任をもってやれ」と口酸っぱく、言われた。それまでの田村は将来を嘱望され、期待も上乗せされた使われ方。「これまでは“行け”と言われて行っている感じだった」。やらされていた男が、やる男へと変化を遂げた。

 「今ではこの配球は、こんな攻め方をしたいからだと1球1球説明できる。安心させるリードをしたいんです」。昨季4・22だったチーム防御率は7日終了時点で3・86である。捕手・田村の成長はチームの防御力を着実に押し上げている。

 昨季まではソフトバンクでバッテリーコーチを務めた清水コーチは、育成選手だった甲斐拓也(25)をベストナインにまで成長させた。選手をほめることはほとんどない同コーチが、開幕前、つぶやいた言葉を鮮明に覚えている。「田村は日本一の捕手になれると思うんだ」。直感した甲斐に勝るとも劣らぬ才能は少しずつだが、着実に開花している。(記者コラム・福浦 健太郎)

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2018年9月8日のニュース