阪神・金本監督 左苦手のメルセデスに右7人の意図「データも少ない」

[ 2018年8月25日 08:30 ]

セ・リーグ   阪神0―2巨人 ( 2018年8月24日    東京D )

ベンチで渋い表情の金本監督(撮影・大森 寛明)
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 猛虎打線は凡打の山を築かされた。昨年8月27日の巨人戦以来で、今季ワーストとなる散発2安打の零敗。積極的休養の福留に加え、糸原、鳥谷、ナバーロと左打者を外した打線は無念にも不発に終わり巨人・メルセデスに初完封を許した。敗戦後の金本監督は、左打者を苦にするメルセデスに対し、あえて右打者7人を並べた意図を明かした。

 「データも少ないしね。もちろん、左(投手)だからというのもあった。多少、左(打者)の方が(分が)いいというデータもあったけど(過去6試合分の)少ないデータのアレですから。そこまでの明らかなものというのは、まだ僕たちは感じられなかったから」

 試合前まで、メルセデスは対右打者の被打率・186に対し、対左は同・333。阪神も前回7月18日に対戦し7回無得点だった際にナバーロら左打者が6安打中3安打しており当然、把握していた。ただ、サンプルが少なすぎた。数字は重要だが、信じすぎるのも禁物。だから、左腕攻略の定石として、右打者を並べた。

 それだけではない。好調の糸原を外してまで植田を先発起用したのは、機動力を駆使する狙いもあった。「外国人の投手は足の速い走者を嫌がりますからね」と指揮官。ところが植田は6回、自らの送りバント失敗で一塁走者となった際もスタートを切らなかった。僅差の試合展開だったにも関わらず、だ。金本監督は「まあサインは出していたけど」と多くを語らなかった。

 「(メルセデスは)良かったですね。球もよく動いているし、低めに来たりね。コースに決まったね。“インカット”とかね。今日は右打者はみんな、しんどかったと思う」

 指揮官が振り返ったように、右打者はメルセデスの内角への直球とカットボールに詰まらされ、凡打を繰り返した。対して、4回に糸井が四球、6回に代打ナバーロがチーム初安打の中前打と、出塁した3人のうち2人は左打者。データ通り、「左優位」の結果に終わり、対メルセデスには16イニング無得点となった。

 2連敗で長期ロードは11勝11敗で、残り2試合となった。ラストスパートにつなげるには、是が非でも勝ち越しが必要。この日の完敗は忘れて連勝フィニッシュと行きたい。(惟任 貴信)

 ≪長期ロード五分に≫阪神は今季8度目の零敗。巨人戦は4月21日の甲子園0―3に続く今季2度目で東京ドームでは昨季8月27日の0―6以来。これで夏の長期ロードは2試合を残して11勝11敗。13年から継続中のロード勝ち越しには1勝1分け以上が必須だ。一方で、巨人に敗れた時点でカード13敗目となり、7年連続の巨人戦負け越しが確定する。

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