阪神、球児で“不敗神話”崩壊 ビシエド勝負裏目…借金5

[ 2018年8月24日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3―4中日 ( 2018年8月23日    ナゴヤD )

9回1死一、二塁、藤川はビシエドに右中間にサヨナラ打を打たれ梅野(右)とともに肩を落とし引き揚げる(撮影・岩崎 哲也)
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 「不敗神話」が崩壊した。阪神は23日の中日戦で今季初のサヨナラ負けを喫した。同点で迎えた9回に4番手・藤川球児投手(38)が力尽きた。この日の試合前まで6回終了時点でリードしている試合は41戦無敗を誇っていたが、42試合目にして初の土が付いた。2カード連続の負け越しで、借金5に後退となった。

 6回終了時点でリードしていれば、負けない――。ここまで41試合で40勝1分け。鉄壁リリーフ陣の力によって築き上げられた「不敗神話」が、この日、ナゴヤドームで音を立てて崩れた。

 3―3の同点で迎えた9回。そのマウンドは、今やブルペン陣で随一の安定感を誇る藤川に託された。だが、連投が響いたのか。それとも、力みが生じたのか。いつもの背番号22の姿ではなかった。

 「結果からすると、(先頭打者への四球が痛かった)ですけど、結果論ですから」

 先頭・平田に四球を与え、あっさりとサヨナラの走者を一塁に出した。京田に送りバントを決められ、得点圏に走者を進められた。一打サヨナラ。ここでベンチは3番・大島を申告敬遠で歩かせ、この日の4打席目まで3打数無安打と精彩を欠いていたビシエドとの勝負を選んだ。しかし…。初球の142キロ直球を右中間に打ち返され、一瞬で試合は決着した。これが、今季初のサヨナラ負け。とはいえ、ここまでチームを支えてくれた中継ぎ陣は、責められない。金本監督は「流れ」に敗因を見いだした。

 「まあ、そう(中継ぎ陣は責められない)ですね。まあ、そういう(負の)流れになってくるというね。(メッセンジャーが5回の先頭・平田に)0―2から打たれたりとか。口酸っぱく言っていることが点につながっているし、悪い流れになるということ。結局、そういう悪い流れから(三塁への)暴投が生まれたりね。今年は、そういう空気だから」

 そもそも7回に同点に追いつかれたのは、先発・メッセンジャーだった。7回までの守備面での小さなミスの連鎖が、試合を重苦しくしてしまった。それでも8回は2番手・能見が招いた1死一、二塁のピンチを、後を受けた桑原が無失点で切り抜けた。藤川も流れ次第では、まったく違った投球を見せてくれたはずだ。だが、この日は流れが悪かった。

 「明日からも試合があるので、しっかり頑張ります」。言い訳をいっさい口にすることなく、藤川は前だけを向いた。2カード連続の負け越しで借金5に後退したが、肩を落としている暇はない。シーズン残り39試合。この悔しさは、次の試合で晴らすのみだ。 (惟任 貴信)

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