八戸学院光星、2日前に亡くなった仲間へささげる1勝 指揮官「喜んでくれていると…」

[ 2018年8月11日 14:42 ]

第100回全国高校野球選手権記念大会第7日・1回戦   八戸学院光星9―8明石商 ( 2018年8月11日    甲子園 )

<明石商・八戸学院光星>初戦を突破し、笑顔で駆け出す八戸学院光星ナイン(撮影・近藤 大暉)
Photo By スポニチ

 6点差を追いつかれながらも、延長の末に勝ち切った八戸学院光星。仲井監督は「あのような展開になりましたけれど、勝ち越しを許さなかったことが勝ちにつながったと思います」。苦しみながらもチーム夏20勝目を挙げた試合を冷静に振り返った。

 負けられない理由があった。「実は」と切り出した指揮官は「2日前に闘病していた本校の2年生の選手が亡くなりまして、その選手の分まで何とか頑張ろうとチーム一丸で頑張ろうと言ってました」。掲げていたスローガン「一丸野球」を、亡くなった仲間のために体現。「誰がヒーローでもない。全員の力で勝てたと思います。(亡くなった選手も)喜んでくれていると思います」と語った。

 亡くなった部員は2年生投手で、1年冬から脳腫瘍のため闘病していた。発症時、すでに脳の手術できない部分に腫瘍ができていた。面会謝絶で見舞いにも行けなかった。

 9日に死去し、ナインに伝えられたのは10日の練習後。最初に訃報を受けて監督とナインに伝えた小坂貫志部長は「彼もテレビで見たかったと思う。空から見守ってくれたんじゃないでしょうか。選手に悲しい知らせを伝えるのは、僕もすごくつらかった。“きっと後押ししてくれるよ”と選手には言いました」と振り返った。

 3番手でマウンドに上がった中村が3回を無失点と好投すれば、バットでは決勝打。地元・兵庫の相手校への歓声が響く中「自分の力に変えられた」と胸を張った。

 2年前の東邦(愛知)との2回戦。4点リードして迎えた9回に5点を奪われ悪夢のサヨナラ負け。「あの負けから、みんなに好かれるチームになろうとやってきた」と中村。最後にスタンドから拍手を浴び「それができてよかったです」と笑顔を見せた。

続きを表示

この記事のフォト

2018年8月11日のニュース