平野佳寿 50登板で24ホールド、日本投手1年目トップ見えてきた

[ 2018年7月31日 10:30 ]

<ダイヤモンドバックス・パドレス>6回途中から登板し、1回1/3を無安打無失点だった平野(AP)
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 ダイヤモンドバックスの平野佳寿投手(34)が29日(日本時間30日)のパドレス戦で50試合目の登板を果たした。連投でイニングまたぎとタフなマウンドとなったが、1回1/3を無安打無失点、打者4人を完璧に封じた。

 これでリーグ単独2位の24ホールド目。本人は「自分が何ホールドあるのかも分からない」と個人成績へのこだわりは見せないが、いよいよ上が見えてきた。

 日本投手1年目の最多ホールドは、大塚晶則(現・晶文)が04年パドレスで残した34ホールド。これはこの年のリーグ最多ホールドでもあった。

 2位は岡島秀樹が07年レッドソックスで残した27ホールド。平野は現在3位で、岡島まであと3つに迫っている。

 ホールドは勝ち、負け、セーブの付かない中継ぎ投手であることが最低条件。アウトを一つ以上取り、その試合最後の投手でないこと。自らの失点で同点、または逆転されないこと。さらにセーブシチュエーションであるか、同点の場合は失点しないことなど、複雑な条件が絡む。

 中継ぎ投手の分業制が進み、1980年代に統計学者のジョン・ディーワン氏とマイク・オドネル氏によって考案された。米国発の記録だが、大リーグでは公式記録として採用されていない。大リーグ公式サイトには各種成績がstatsとして積算されているが、ホールドが記されるようになったのは1999年から。同点で登板して抑えても記録されないなど、日本と若干の条件の違いもある。

 各データサイトは、99年以前の試合にも条件を当てはめ、独自の通算数を算出したが、これがなかなか一致していない。各球団の広報も公式記録に適用することの多いベースボール・リファレンスによれば、歴代最多ホールドはマイク・スタントンの266となる。

 シーズン最多ホールド記録は13年ジョエル・ペラルタ(レイズ)と、15年トニー・ワトソン(パイレーツ)のマークした41。

 平野はオリックス時代の11年にシーズン43ホールドを挙げている。なお日本記録は10年浅尾拓也(中日)の47。

 平野の場合、同僚のセットアッパー、アーチー・ブラッドリーが既に29ホールドでリーグトップに立っており、逆転することは簡単ではなさそう。それでも地区首位ドジャースに0・5ゲーム差と肉薄し、優勝争いが佳境を迎えていく中で、頼られる場面は増えていく。21世紀のスタッツと言っていいホールドを、どこまで伸ばせるのかも楽しみだ。(記者コラム・後藤 茂樹)

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2018年7月31日のニュース