【東千葉】成田西陵12年ぶり夏1勝 下村双子バッテリー躍動

[ 2018年7月13日 05:30 ]

第100回全国高校野球選手権記念東千葉大会1回戦   成田西陵6―4旭農 ( 2018年7月12日    ナスパ )

<成田西陵・旭農>1回戦を突破し応援席に向かって歓喜のダッシュをする下村広晃(左から2人目)、下村広幸(同3人目)ら成田西陵ナイン(撮影・沢田 明徳)
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 下村ツインズバッテリーの粘りが東千葉・成田西陵に06年以来12年ぶりの夏白星をもたらした。兄・広晃が捕手、弟・広幸が投手という双子。序盤は変化球が浮き、2回までに4点を与えた。弟は思うように制球できない焦りからか信頼する兄のサインにも首を横に振った。

 5回のグラウンド整備時、ベンチで広晃は「俺を信頼しろ」と叱った。「あれでいつも通りになれた」と広幸の調子は尻上がりに良くなった。3回以降は要所を締める投球で無失点。「去年は9回1死から打たれて負けたので、同じ失敗をしなくてよかった。兄のリードのおかげです」と安どしていた。

 負けられないもう一つの理由があった。兄2人、姉2人がいる6人きょうだいの5番目、6番目。だが5歳の時、長兄の拓郎さんが18歳の若さでこの世を去った。仕事で観戦に来られない父・富士夫さん(65)に渡されたのは、拓郎さんの写真だった。「お守りとして帽子に入れていました」と広幸は言った。

 中学時代は共に控え外野手。「双子でバッテリーは家ですぐ反省会ができ、共有できる」と口をそろえ、広晃は「2人がバッテリーで勝つのは家族の夢だった」と続けた。応援に来たフィリピン出身の母・ナンシーさん(55)は、誇らしそうに言う。「2日前は父親と私も一緒に4人で練習をした。つらいこともあったけど2人が楽しませてくれています」。次戦はきっと父も見に来る。また力を合わせて勝ってみせる。(小野寺 大)

 ◆下村 広晃、広幸(しもむら・ひろあき、ひろゆき)2001年(平13)7月2日生まれ、千葉県出身の17歳。小学時はチームに所属せず、2人でキャッチボールをしていた。共に1メートル62、59キロ。広晃は右投げ左打ち、広幸は右投げ両打ち。

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