阪神、上本に残留要請!複数年契約を用意 “完全復活”へ異例の早期慰留

[ 2018年7月7日 09:03 ]

阪神・上本
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 阪神が左膝前十字じん帯損傷の手術を受けて先月15日に退院した上本博紀内野手(32)に対して既に残留交渉を開始していることが分かった。2年以上の複数年契約を用意しているもようだ。国内フリーエージェント(FA)権の取得条件を満たすには現状で30日不足ながら今季中に復帰できない場合も故障者特例措置による権利取得が確実。異例の早期慰留に着手し、猛虎の一員としての“完全復活”を望んだ。

 猛虎の動きは速かった。今季中の復帰が困難と見られている上本に対して既に“ラブコール”を送っていたことが6日までに判明した。球団関係者が経緯を説明した。

 「来季も必要戦力であるということは既にフロントのしかるべき人間から本人に伝えられたと聞いています。今後はタイミングを見て話をしていくことになると思います」

 上本は5月5日の中日戦で左膝前十字じん帯を損傷して同22日に手術を受け、6月15日に退院。現在はリハビリに取り組んでいる。球団関係者によると5月下旬の入院期間中、球団幹部が上本を見舞った際に「来季も必要戦力」という趣旨の言葉を伝えたという。同関係者は「そういう方向で話をしていこう、ということです」と補足した。故障者に対して異例とも言える「速攻慰留」だ。

 上本は権利取得まで残り30日の登録日数が必要ながら、今季中に実戦復帰できなくとも国内FA権取得が確実だ。前年度の出場選手登録日数145日を満たしており、今季は故障者特例措置適用の対象となる。同措置は2月1日から11月30日までの間に発生したグラウンド上での故障、ケガで登録抹消となり、出場選手登録が145日に満たない場合に最大60日間を加算するというもの。仮に実戦復帰できない場合もシーズン終了後に登録日数60日が加算され、国内FA権を取得できることになる。

 昨季は二塁のレギュラーとして125試合出場、打率・284、9本塁打、38打点の成績を残した。今季も離脱するまで20試合に出場し、打率・422、1本塁打、6打点。4月下旬から5月上旬まで主に1番打者として打線をけん引した。加えて今年でまだ32歳と若く、今後の活躍も見込める。だから球団は早々に来季以降の必要戦力と判断し、水面下で動き始めたわけだ。

 昨オフはFA宣言した大和をDeNAに流出した。上本はその大和以上に必要な戦力。別の球団幹部は「上本選手にはぜひ残ってもらいたい。そう(2年以上の複数年契約の提示)なるでしょう」と話した。故障中の選手に対する複数年契約提示は破格のオファーと言える。貴重な生え抜き野手に最大限の誠意を尽くし、慰留に努める方針だ。

 ▽故障者特例措置制度 前年の1軍登録日数が145日以上の選手が対象。2月1日から11月30日までの期間にグラウンド上で発生したケガで出場選手登録を外れた場合、抹消日から2軍の公式試合に出場するまでの日数を1軍登録日数として最大60日まで加算する制度。60日以内なら1シーズンで複数回の抹消でも適用される。ただし、同制度で1軍登録日数が145日を超えたシーズンの翌年は適用されない。

 ▽今季の上本 開幕当初は主に代打要員で出場。先発に定着した4月21日巨人戦以降は7試合連続安打。打率・422、1本塁打、6打点、4盗塁でリードオフマンとしての実力を発揮した。球団タイ記録の4試合連続猛打賞がかかった5月5日の中日戦初回、二盗の際に左膝前十字じん帯を損傷し途中交代。翌6日に出場選手登録を抹消された。

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