広島 今季3度目の5連勝 球団史上最速の主催33試合目で入場者100万人を突破

[ 2018年6月28日 05:30 ]

セ・リーグ   広島8―6巨人 ( 2018年6月27日    マツダ )

3回2死、ソロ本塁打を放ち、菊池(左)らとハイタッチをかわす鈴木(撮影・北條 貴史)
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 広島は27日の巨人戦に8―6で逃げ切り、今季3度目の5連勝。殊勲は鈴木誠也外野手(23)だ。1回に2点先制打を中前に運ぶと、1点差の3回には超特大の11号で突き放した。2年連続球宴ファン投票選出への御礼弾にもなった。球団史上最速の主催33試合目で入場者が100万人を突破。リーグ3連覇を強く後押しする記録だ。

 異次元の打球音だった。1点差に迫られた3回2死。鈴木がカウント3―1からの130キロ内寄りカットボールを強振すると、打球は左翼コンコース奥の防球ネット上部に突き刺さった。推定飛距離140メートルの超特大11号に笑顔がはじけた。

 「会心というか、感触はよかった。(田口は)好投手なので、少ない甘い球を仕留められてよかったです」

 5月に敵地であったヤクルト3連戦。練習前に、宮本ヘッドコーチが苦笑して23歳に掛けた言葉が思い出される。「金属バットのような音をさせているなぁ」。まさに言い得て妙。その打球音と飛距離は、強烈なスイングスピードの産物だ。

 1回からエンジン全開だった。3番・丸が四球を選んだ無死満塁の絶好機。同じ3―1で同じ変化球を捉え、試合の主導権を握る2点先制打を中前に運んだ。「3番のビッグヘッドモンスターが(得点圏で)回してくれるので、ヤツのためにも打ちました!」。お立ち台で爆笑を呼んだ。

 心を奮い立たせる出来事があった。25日に球宴ファン投票最終結果が発表され、外野手部門で2年連続2度目の選出。「(骨折した右)足のことを心配されていると思うので、大丈夫というところを見せたい」と誓う。2点先制打と御礼弾に感謝の思いを込めた。

 巨人を突き放した超特大弾には緒方監督も目を丸くした。「先制打に本塁打。またスゴい当たりを打つよね。丸を含めて調子が上がってきている」。中軸2人への賛辞を惜しまない。鈴木も「ビッグヘッドモンスター」に敬意と親愛を込める。

 「本当はあの人がヒーローですよね」

 待望の規定打席にも到達し、打率・314はリーグ9位にランクイン。それでも鈴木は「一つの目安としては良かった。ただ、何が起こるかわからないので」と気を引き締める。8得点どまりでプロ野球タイ記録の4試合連続2桁得点には届かなかったが、強いチームの中心には強打の23歳がいる。

 (江尾 卓也)



 ○…広島は今季マツダの巨人戦を開幕から4戦全勝。昨季8月12日からの同球場の巨人戦連勝を8に更新した。これはフランチャイズ制導入の52年以降、広島本拠地の巨人戦連勝シーズンまたぎの記録では最長。シーズン単位では広島市民の64年と06年の6連勝。マツダでは15年の5連勝がある。

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